まさに暴君! 極悪馬場でネロがぶっちぎり初重賞V

佐藤直文 レース回顧
京阪杯

経験の差もあり ネロが待望の初重賞制覇

 1分10秒3という、ひとつ前のダート戦より1秒近くも遅い決着が示す通り、相当タフな馬場状態。道悪の適性が要求されたのはもちろんのこと、経験の差も表れた一戦だったように思える。

 ネロは、内枠からハナにこだわり、テンの3ハロンはこの馬場としては相当速い34秒1。それでいて、直線では後続を離す一方での4馬身差の圧勝なら、道悪適性があったことは確かだが、それ以上にこれまで一線級の相手と戦ってきた経験が生きたのではないか。GI級の相手ならともかく、今日のメンバーでは変に控えずに行き切ったことが最大の勝因だろう。

ネロ

極悪馬場を4馬身差で逃げ切ったネロ(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着エイシンスパルタンは、大外枠もあってか無理に先行争いに加わらず、自分のペースを守った形。その分、直線でもしっかりとした脚を使えており、今日のところはこれが精一杯だったとはいえ、4馬身差がそっくり能力差ではないことも確かだ。

 3着は2頭同着。まず、フミノムーンは、脚質的に厳しい内枠を考えればよく走っている。キレ味が武器の馬ではあるが、洋芝にも実績があるように、道悪も苦にしないタイプだ。アースソニックは、こういう馬場が合っている馬。7歳馬ではあるが、時計のかかる馬場では今後も注意が必要だ。

 5着ラインハートは、結果的にどこを通っても一緒の馬場で、内をロスなく運べたことが好走の因だろう。

 メラグラーナは、馬場に尽きると言ってもいいが、これこそ経験不足と見てもいいのではないか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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