2000m戦では常に目が離せない存在 ヤマカツエースが重賞4勝目

佐藤直文 レース回顧
金鯱賞

2000のエースがここに復活 馬体戻ってヤマカツエース

 開幕週の良馬場で前半1000mが61秒5というのは、かなり遅い流れ。しかも、離して逃げる展開ならなおさらで、レースの上がりも34秒0と、完全な上がり勝負の競馬となった。

 ヤマカツエースは、プラス20キロの大幅な馬体増だったが、前走の天皇賞では馬体が細く映ったものであり、実際にパドックでも全く太目感はなく絶好のデキに見えた。短期間で馬体を戻して、なおかつここまでの状態に持っていったのは厩舎の力だろう。昨年も福島記念→中山金杯と重賞を連覇したように、この時期がいいことも確かだが、中京コースも合う馬だ。今回のように体調さえ整えば、この距離では常に目が離せない存在となるだろう。

ヤマカツエース

得意の距離で重賞4勝目を達成したヤマカツエース(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着パドルウィールは、このスローペースを2番手から運んで、一旦は抜け出す形。別定戦のGIIを準オープンの身で好走したのだから立派の一言だ。その好走の因を、このコースのレコードホルダーであることに求めることもできるが、当時とは馬場状態もレースの流れも違う状況だったものであり、素直に力を付けていると見るべきだろう。5歳馬だが、これからもっと伸びていい馬だ。

 サトノノブレスは、好位のインをロスなく運んで4角では射程圏の3番手に。勝ちパターンの競馬だったはずだが、直線ではもどかしいほどジリジリとしか伸びず、3着同着に持ち込むのが精一杯だった。スローの瞬発力が合わないとも言えるが、もう少し距離があった方がいい馬なのかもしれない。

 3着同着のシュンドルボンは、逆に2200mの前走は微妙に長く、適距離の2000mで持てる力をフルに発揮したと見ていい。

 5着リアファルは、もともとが瞬発力で勝負するタイプではないのに加え、長期休養明け。それを考えれば、能力を示す走りだったように思う。

 ヴォルシェーブは、おそらく鞍上が前走のイメージで乗ったのだろうが、今日の流れでは出番がなくて当然の位置取り。2000mという距離は本来は合っているはずであり、この一戦で評価は下げられないだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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