桜当確! 脱帽レベルの強さを見せたソウルスターリング

佐藤直文 レース回顧
チューリップ賞

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余裕の仕上げで大楽勝 ソウルスターリング

 昨年は1・2着馬が本番で2・1着だったという桜花賞の最重要トライアルだが、1分33秒2という決着タイムは、その昨年の1分32秒8に次ぐレース史上2番目の好タイムだった。ただ、昨年はゴールまで2頭が叩き合ってのものだったのに対し、今年は勝ち馬が最後に流す余裕を見せたことを考えれば、時計的な価値も相当なものだろう。

 そのソウルスターリング。前が飛ばす流れを何の苦労もなく離れた好位で折り合って、直線も余裕の手応えで抜け出すパーフェクトな勝ちっぷり。抜け出してムチが数発入ったが、これは気を抜かせないためのもので、実際はほとんど流してのゴールだった。今回も含めて本番まで2度の長距離輸送があることを考えれば、プラス4キロの馬体重以上に余裕のある仕上げだったと言えるが、それでこの強さは脱帽レベル。最大のライバルとも思えた阪神ジュべナイルFの2着馬に決定的な差を付けたという点でも、本番に当確の桜を付けていいかもしれない。

ソウルスターリング

ソウルスターリングが2着に2馬身差をつけて優勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ミスパンテールは、流れも味方したとはいえ、現状の“ナンバー2”を捕らえての2着は立派な内容で、デビュー戦の強さが本物だったことを証明したと言える。7ヶ月もの休み明けで、ここまで仕上げてきた陣営も立派だが、この後も反動がなく順調ならば、大きな上積みが見込める本番でも期待できそうだ。

 3着リスグラシューは、阪神ジュべナイルFとは違い、勝ち馬を見る形で運んだが、爆発的な末脚は見られなかった。久々の分もあったかもしれないが、今まではスローペースで速い上がりを使えていたのに対し、今日のような流れでは同じ脚が使えないとも言えそうだ。いずれにしろ、勝ち馬に余裕で付けられた2馬身半差を本番で逆転するのはかなり厳しいだろう。

 4着ミリッサは、手応え十分で直線を向きながら伸び切れなかったもの。まだ本当の強さが身に付いていないと言えるが、小柄な馬だけに、直線に坂のあるコースも一息の印象を受けた。

 5着カワキタエンカは、他の前の組が揃って沈んだことを考えれば、なかなかの頑張りだった。自己条件ならアッサリのレベルだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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