アルアインが皐月へ名乗り! 2着サトノアーサーは戦法に疑問

佐藤直文 レース回顧
毎日杯

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正攻法で素質を証明 アルアイン

 人気薄の馬が離して逃げる展開となったが、前半1000mが60秒1なら、それほど速い流れではなく、2番手以降は完全なスローペース。瞬発力勝負でも馬群が固まってのものではないだけに、鞍上の判断も含めた立ち回りの差が勝負を分けたように思える。

 勝ったアルアインは、離れた2番手から勝ち動いて、直線でも後続を振り切ったもので、正攻法の競馬ができたという点でも内容はあった。前走は直線の不利が響いたが、やはりディープインパクト産駒らしく良馬場でこそのタイプだろう。これで皐月賞へ名乗りを上げた形だが、核となる馬が不在の様相だけに、可能性はあるはずだ。

アルアイン

シンザン記念6着からの巻き返しに成功したアルアイン(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着サトノアーサーは、後方でデンと構えて直線は大外から。上がりは最速の33秒3をマークしており、力は示したと言えるのだが、前走でも感じたことだが、鞍上が勝ちにいく競馬を教えていない印象を受けた。目標をダービーに置いて、という意味合いもあるのかもしれないが、あれだけ離れた外から脚を使う形でしか競馬ができない、というのはいかがなものか。これでは本当の強さがわからないし、本当に強い馬だと思っているからこそ、鞍上を含めた陣営に敢えて苦言を呈したい。勝負に貪欲な外国人騎手でも乗せれば、アッサリ勝てるメンバーだったと思うのだが…。

 3着キセキの競馬がそのいい例だろう。4角ではサトノとともに最後方の位置だったが、シュタルケ騎手は内に潜り込んで懸命に前を追っていた。結果3着は、現状のでの力の差と言えるが、サトノがこの競馬をしていれば楽に突き抜けたのではないだろうか。

 4着プラチナムバレットは、重賞でも崩れず走れたあたり、自己条件に戻ればアッサリのクチだろう。

 5着トラストは、このスローペースでも中団でスムーズに折り合えていたことには少し驚かされたが、かと言って伸びはなかった。やはり正攻法の競馬がいいのか、能力の問題なのかは、ちょっとわからない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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