見えた父子制覇 ジョーストリクトリが勇躍NHKマイルへ

佐藤直文 レース回顧
ニュージーランドT

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鞍上は重い芝で百戦錬磨 ジョーストリクトリ

 中山の土曜は、断続的な雨の影響で、芝は発表こそ稍重であってもかなり重に近い馬場だった。マイル戦になった2000年以降で最も遅い1分36秒0の決着タイムも、レベルの問題ではなく、馬場と前半3ハロンが36秒3のスローペースによるもの、と見ていいだろう。

 ジョーストリクトリは、道中は枠なりに好位のインで脚を溜めていたが、4コーナーで先行勢が荒れた内を嫌って馬場の中ほどへ持ち出したことにより、前が綺麗に開いた。あとは何のストレスもない競馬で抜け出した形だが、こういう渋い馬場も合っていたのだろうし、欧州の重い芝では百戦錬磨のシュタルケ騎手が巧く勝利に導いたと言える。これまでの良績は1400mに集中し、マイルでは2走前のアーリントンCで1.1秒差4着があるだけ、という実績では手が出しずらかったが、父のジョーカプチーノはこのレースの3着をステップにNHKマイルCを制した馬。その父を上回る着順で臨む本番で、今日のような馬場にでもなれば、父子制覇の可能性も十分あるはずだ。

ジョーストリクトリ

ジョーカプチーノの初年度産駒ジョーストリクトリが重賞初V(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着メイソンジュニアは、緩いペースでの逃げだったこともあるが、最後は前走で先着を許した3着馬との競り合いを制したのだから、力を認めていいだろう。その前走のファルコンSの回顧でも、“マイルまでなら距離はもちそう”と書いた通りの走りで、これまた今日のような馬場なら、NHKマイルCでも軽くは扱えない。

 3着ボンセルヴィーソは、中山マイルでは不利な大外枠から果敢に先行したことが、結果的には良かったと言えるが、最後は前半で脚を使ったことと馬場適性の差が出たのかもしれない。

 4着スズカゼも、先行して渋太く踏ん張ったもの。時計勝負では分が悪い馬だが、こういう馬場で持ち前の渋太さが生きた形だ。

 5着タイムトリップは、後方から一気に進出して、残り1ハロンではそのまま外から突き抜けるかと思わせたほどの勢いだった。実際に上がりはメンバー最速だったが、最後にもうひと伸びできなかったのは、外枠とスローペースのためであり、能力評価を下げる内容ではない。

 掲示板を外した上位人気勢は、総じて今日の流れであの位置取りでは…という印象を受けたが、1番人気のクライムメジャーなどは、本来は前で運べる馬。今日の消極的な競馬が、馬場のせいなのか当初の作戦だったのかはわからないが、普通に先行していれば、と惜しまれる競馬だったように思う。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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