ブービー人気をあざ笑い 9歳馬エポワスが突き抜けて初重賞

佐藤直文 レース回顧
キーンランドC

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これぞ洋芝巧者 エポワス

 札幌は連続開催後半での荒れに加えて中間の降雨の影響もあり、良馬場発表ながら少し時計のかかる馬場。いかにも洋芝らしい状態で、より適性が求められたと言えるが、それにしても3歳以上も年齢差のある馬たちを相手に9歳馬が大立ち回り、というシナリオは読めなかった。

 エポワスは、テンの3ハロンが33秒5のハイペースを最後方から。ジックリと運んだというよりも、忙しくて追走がやっとという手応えだったが、勝負どころでエンジンがかかると、さほど外を回らずに4コーナーでは中団まで進出し、直線でもガラ開きの内を巧くスクってみせた。これぞ洋芝巧者、というレースぶりだったが、2走前の函館スプリントSでも3着と健在ぶりをアピールし、凡走した前走でもトップハンデながら1番人気に推されていた馬。中2週でも滞在効果で馬体を戻し、ブービー人気をあざ笑うかのような9歳馬の激走には、あっぱれと言うしかない。

 2着ソルヴェイグは、3ヶ月ぶりの久々で100%のデキではないにしろ、ここをしっかりと勝ちに来たと思える仕上り。渋太かった逃げ馬を何とか捉えたと思ったところで、勝ち馬に出し抜けを食らった形で、今日のところは仕方のない2着だ。

 3着ナックビーナスは、ハイラップを踏んでの逃げだったが、キレ味が削がれる馬場を考えれば正解であり、直線でも迷わずインをピッタリ走らせた鞍上の好プレーが、ゴール寸前までの粘りを生んだと言えよう。

 4着フミノムーンは、勝ち馬同様に後方から運ぶ形となったが、こちらは直線で大外へ持ち出したもの。勝ち馬のような立ち回りができていれば、もっと際どい差になったか。

 5着ライトフェアリーは、好位から2着馬を目標に運んで最後まで渋太く伸びていた。重賞のこのメンバーで入着できたことは、洋芝適性の高さゆえだろう。

 モンドキャンノは、気性的に久々は問題ないタイプだが、それでも完調には一息だったか。この距離も久々で追走に余裕が見られなかったし、今日のような緩めの馬場も合わない印象。シュウジは、道中で力みが目に付いたが、鞍上が直線で早々と競馬を止めてしまったあたり、58キロの斤量がどうこうのレベルの話ではない。精神面も含めた状態に問題があったと言える。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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