ディープ産駒では異端? 道悪得意サングレーザーが4連勝

佐藤直文 レース回顧
スワンS

いざGIの舞台へ 内からグイっとサングレーザー

 土曜の京都は朝からの雨が午後に強まって、メインは重発表の馬場。馬群がバラける外回りコースなら馬場のいい大外強襲もアリだが、この状況ではロスのない運びが要求され、より道悪適性が問われる形に。実際に、上位4着までを内枠4頭が占めた結果がそれを物語っていた。

 サングレーザーは、道中は後方で脚を溜めつつ、枠なりにインをロスなく立ち回って、直線でも躊躇することなく進路を内に取った。最後は2着馬に内から並びかけてゴール前でキッチリ交わす文句のないレース運びで、さすがはクリスチャン・デムーロ騎手、と言える。けっして今日のような馬場がプラスとは言えないディープインパクト産駒だが、この馬に限ってはそうではなく、距離適性からも母系の血が色濃く出ているのだろう。さらに相手のレベルが上がるマイルCSでも、今日のような馬場になれば可能性はあるはずだ。

サングレーザー

ヒルノデイバロー(手前)を内から差したサングレーザー(奥)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ヒルノデイバローは、2走前こそ出遅れて流れに乗れなかったが、前々で立ち回ることができるようになってからは実にレースぶりが安定してきた。加えて道悪も巧く、今日は完全に勝ちパターンになったかと思われたが、勝ち馬を褒めるべきだろう。

 3着レッツゴードンキも、道中の位置取りなどは申し分なかったが、追われてモタモタしたあたりはプラス14キロの太目残りだった分だろう。ベストは500キロを切るくらいの馬であり、今後も当日の馬体重を注視したい馬だ。

 4着ビップライブリーは、勝ち馬とほとんど同じレース運びで内枠を生かしきった形。最後は伸び負けたものの、昇級での重賞でここまで走れば立派だろう。

 5着ダノンメジャーは、外目の枠から出して行って道中2番手。直線では馬場の中ほどに進路を取って、一旦は抜け出すかのシーンもあったが、止まってしまった。道悪は巧い馬だが、1400mはやはり忙しいのだろう。

 キャンベルジュニアは、道中のポジションこそ悪くなかったが、直線で伸びを欠いたのは、久々の影響よりも馬場だろうか。セイウンコウセイは、調教の動きは良く見せていて、距離も道悪も問題ないはずの馬だが、ここまで見せ場なく負けるとは。ちょっと敗因がつかめない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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