一年ぶりの逃走劇 ネロは逃げたら良馬場でも止まらない

佐藤直文 レース回顧
京阪杯

皐月賞「22万9700円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

吉原寛人が押して持たせて ネロ

 この秋の京都は降雨下での施行が続いた上での最終週で、良発表とはいえ1分8秒8の決着タイムが示す通りの荒れ馬場。上位人気馬が揃って消える大波乱となったのも、そういう馬場の影響があったかとは思えるが、負けるべくして負けた馬もいたことは確かだ。

 ネロは、不良馬場だった昨年のこのレースを逃げ切っていたが、良馬場なら厳しいかと思えたところに落とし穴があった。実際に、以降の芝では大敗続きだったことで人気も落としていたと言えるが、押して押してハナへ行き、直線でも二の脚を使わせて持ち味を生かし切った鞍上を讃えるべきだろう。

ネロ

低評価を覆してネロが連覇達成(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ビップライブリーは、これが初距離とは思えないほど好位で巧く立ち回り、勝ち馬を追い詰めたもの。前走がフロックではなかったことを証明するとともに、少し時計のかかる1200mもベストではないかと思える走りだった。

 3着イッテツは、後方待機から4コーナーも大外を回る形で目立つ伸び脚を見せたもの。これまた少し時計のかかる馬場が良かったと言えるが、行ってナンボと思われた馬がこういう競馬をしたこと自体、大きな収穫だろう。

 4着フィドゥーシアは、直線で一旦は抜け出すシーンもあったほどで、引退レースのここへ目一杯の仕上げだったことがよくわかる走りだった。今後は、この牝系の更なる発展へ向け、いい仔を産んで欲しい。

 5着ダイシンサンダーは、自分の競馬に徹して直線でも巧く馬群を捌く形で掲示板を確保したもの。末脚に衰えは見られず、重賞でもどこかでハマっていい馬だ。

 セイウンコウセイは、本来の積極策で何も問題のない競馬だったが、ここまで走らないのはデキが戻っていないということだろう。ソルヴェイグは、勝ち馬がハナを主張したことで2番手からとなったのは仕方ないとしても、4角手前から後続が進出してきたところで踏み遅れた感を受ける。やはり行って粘るのが本領の馬であり、後続を待って楽に抜け出してやろう、という気取った競馬が命取りになったのではないだろうか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

皐月賞「22万9700円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

皐月賞「22万9700円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

日本ダービー特集

2024年日本ダービー特集

日本ダービーの出走予定馬、予想、単勝オッズ、結果、動画、歴代優勝馬、騎手・調教師データ、ゴール前写真、歴史などを紹介する特集ページ。『優馬本紙馬柱で振り返る日本ダービー』などオリジナルコンテンツも充実しています。

  • 出走予定馬
  • 予想オッズ
  • 騎手
  • 優先出走権
  • 賞金順
  • 次走予定
  • 動画・写真
  • 優馬本紙の馬柱
  • 短評

優馬 現3歳馬チェック

優馬 現3歳馬チェック

6月~12月に初勝利をあげた2歳馬(現3歳馬)を全頭チェック! 馬体は? 血統は? レース内容は? 総合的に判断をし、★評価をつけていきます。翌年のクラシック有力候補がきっと見つかるはず!

★5つ以上の馬を網羅。ダービー候補はこの馬!

ヒロイン候補が続出!? 牝馬の★評価。

注目勝ち上がり馬情報など毎週火曜更新。

トラックマン・記者一覧

競馬専門紙「優馬」トラックマン・記者一覧

平日はトレセンで東奔西走、週末はレース予想&馬券に全力投球。競馬専門紙「優馬」を支えるトラックマン&記者のプロフィールをご紹介します。