タフな馬場で強豪撃破クリンチャー 3着レイデオロは「仕方ない」

佐藤直文 レース回顧
京都記念

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GI馬4頭相手に価値ある初重賞V クリンチャー

 生憎の重馬場となったが、今の京都の馬場は発表よりも一つ悪い馬場状態と考えて良く、実質は不良レベル。GI馬4頭をはじめ豪華メンバーが揃った一戦だが、馬場の巧拙が勝負の明暗を分けた感を受けた。

 クリンチャーは、道中の緩い流れで行きたがるシーンもあったが、鞍上がよく我慢をさせていた。馬場のいい外目を回る馬も多かった中で、4コーナーまでインぴったりをロスなく回れたのも、菊花賞の内容通りの道悪巧者ぶりを見せたもので、直線でも本来のキレ味を削がれたGI馬たちを見事に差し切ってみせた。2分16秒3という時計が示す通りの馬場に恵まれたとはいえ、タフな展開になれば良馬場でもと思える内容。春の天皇賞制覇も視野に入ってきただろう。

クリンチャー

GI馬4頭を撃破したクリンチャーが重賞初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着アルアインは、中身の濃い調教を消化しての好仕上りだったが、道悪自体は苦にしない程度の馬。川田騎手が巧く馬場のいいところを走らせ、直線でも目標としたダービー馬をキッチリと捉えてのゴールなら、前途が明るい内容だったように思う。

 3着レイデオロは、序盤こそ中団をスムーズに追走できていたが、向正面あたりから持って行かれ気味に。テン乗りの鞍上を責めることはできないが、こういう馬場もプラスとは言えないこともあって、折り合いを欠いたことが最後に響いたと言える。勝ってドバイへの青写真通りにはならなかったが、いろいろな面で今回は仕方なかったか。

 4着モズカッチャンは、いつもよりも後方の位置取りで運んだが、直線でポッカリと開いたインを一旦は抜け出す形。最後は牡牝の力の差が出たと言えるが、見せ場十分の内容だった。

 5着ケントオーは、最後に突き放されたとはいえ、直線半ばまでは2着馬の外に併せる形でよく脚を伸ばしていた。メンバーを考えても大健闘の部類だろう。

 ディアドラは、こういう馬場を苦にしないはずだが、勝負どころからの手応えが悪かった。馬体に太目感はなかったが、中身ができていなかったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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