タフな馬場で強豪撃破クリンチャー 3着レイデオロは「仕方ない」

佐藤直文 レース回顧
京都記念

皐月賞「22万9700円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

GI馬4頭相手に価値ある初重賞V クリンチャー

 生憎の重馬場となったが、今の京都の馬場は発表よりも一つ悪い馬場状態と考えて良く、実質は不良レベル。GI馬4頭をはじめ豪華メンバーが揃った一戦だが、馬場の巧拙が勝負の明暗を分けた感を受けた。

 クリンチャーは、道中の緩い流れで行きたがるシーンもあったが、鞍上がよく我慢をさせていた。馬場のいい外目を回る馬も多かった中で、4コーナーまでインぴったりをロスなく回れたのも、菊花賞の内容通りの道悪巧者ぶりを見せたもので、直線でも本来のキレ味を削がれたGI馬たちを見事に差し切ってみせた。2分16秒3という時計が示す通りの馬場に恵まれたとはいえ、タフな展開になれば良馬場でもと思える内容。春の天皇賞制覇も視野に入ってきただろう。

クリンチャー

GI馬4頭を撃破したクリンチャーが重賞初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着アルアインは、中身の濃い調教を消化しての好仕上りだったが、道悪自体は苦にしない程度の馬。川田騎手が巧く馬場のいいところを走らせ、直線でも目標としたダービー馬をキッチリと捉えてのゴールなら、前途が明るい内容だったように思う。

 3着レイデオロは、序盤こそ中団をスムーズに追走できていたが、向正面あたりから持って行かれ気味に。テン乗りの鞍上を責めることはできないが、こういう馬場もプラスとは言えないこともあって、折り合いを欠いたことが最後に響いたと言える。勝ってドバイへの青写真通りにはならなかったが、いろいろな面で今回は仕方なかったか。

 4着モズカッチャンは、いつもよりも後方の位置取りで運んだが、直線でポッカリと開いたインを一旦は抜け出す形。最後は牡牝の力の差が出たと言えるが、見せ場十分の内容だった。

 5着ケントオーは、最後に突き放されたとはいえ、直線半ばまでは2着馬の外に併せる形でよく脚を伸ばしていた。メンバーを考えても大健闘の部類だろう。

 ディアドラは、こういう馬場を苦にしないはずだが、勝負どころからの手応えが悪かった。馬体に太目感はなかったが、中身ができていなかったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

皐月賞「22万9700円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

皐月賞「22万9700円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

日本ダービー特集

2024年日本ダービー特集

日本ダービーの出走予定馬、予想、単勝オッズ、結果、動画、歴代優勝馬、騎手・調教師データ、ゴール前写真、歴史などを紹介する特集ページ。『優馬本紙馬柱で振り返る日本ダービー』などオリジナルコンテンツも充実しています。

  • 出走予定馬
  • 予想オッズ
  • 騎手
  • 優先出走権
  • 賞金順
  • 次走予定
  • 動画・写真
  • 優馬本紙の馬柱
  • 短評

優馬 現3歳馬チェック

優馬 現3歳馬チェック

6月~12月に初勝利をあげた2歳馬(現3歳馬)を全頭チェック! 馬体は? 血統は? レース内容は? 総合的に判断をし、★評価をつけていきます。翌年のクラシック有力候補がきっと見つかるはず!

★5つ以上の馬を網羅。ダービー候補はこの馬!

ヒロイン候補が続出!? 牝馬の★評価。

注目勝ち上がり馬情報など毎週火曜更新。

トラックマン・記者一覧

競馬専門紙「優馬」トラックマン・記者一覧

平日はトレセンで東奔西走、週末はレース予想&馬券に全力投球。競馬専門紙「優馬」を支えるトラックマン&記者のプロフィールをご紹介します。