遂に成就した福永家の悲願 平成最後のダービー馬はワグネリアン
敢えて出して行って好位から ワグネリアン
2週前の準オープン特別でマークされた2分22秒9という破格の時計が、直前の1000万特別で再び叩き出された時点で、レースレコード更新もありうるかと思えたが、結果はドゥラメンテのレコードにコンマ4秒遅れての2分23秒6。ただ、これは前半1000mが60秒8という遅いペースだっただけに仕方なく、一方で後半5ハロンは58秒3のタイトな流れとなっては、後方待機組には厳しい展開だったと言える。
ワグネリアンは、外枠を引いたこともあってか、敢えて出して行って好位のポジションへ。掛かるリスクも当然あったはずだが、とにかく好位で流れに乗れたことが最大の勝因だろう。一週前追い切りでも破格の好時計が出ていたように、皐月賞と比べても間違いなく状態も良かったと言えるし、瞬発力が最大限に生きる今の東京の馬場も、この馬には合っていた。福永家の悲願達成というシナリオも、平成最後のダービーにふさわしいドラマだったろう。
2着エポカドーロは、装鞍所でイレ込んだことにより入場が遅れたパドックで、誘導馬を伴って周回するという珍しい光景。その甲斐もあってかレースに行っては落ち着いてハナを切ることができたが、好位で控えて運ぶ選択肢もあった中で、思い切って行ったのは正解だったであろう。心配された距離も、自身は決して止まってはおらず、皐月賞馬の実力を示すことができたように思う。
3着コズミックフォースは、積極的に好位を運んで、直線でも一旦は逃げる2着馬に並びかけてアワヤのシーン。最後は3頭併せの真ん中で後れを取ったが、前走もそうだったがこの形の競馬では実に渋太い馬だ。距離延長も良かったと言える。
4着エタリオウは、先行好位勢が上位を占めた中でただ一頭、後方から伸びてきたのには、正直ビックリした。おそらく、距離はもっと延びていいタイプであり、秋の大舞台では、同厩のダービー馬の強力なライバルとなるかもしれない。
5着ブラストワンピースは、好位をソツなく運べていたが、直線の勝負どころで勝ち馬に外から蓋をされる形となったのが痛かった。ただ、追われての伸び自体も一息で、まだまだこれからの馬であろう。
ダノンプレミアムは、絶好枠を利して勝ち馬の直後でジックリと脚を溜めて運んだが、直線を向いて満を持して追い出された時点で内のポケットに入った状態となり、外へ持ち出すことができなかった。ゴール後もグンと伸びたあたり、脚は間違いなく余しており、結果論ではあるが4コーナーで先頭に並びかける競馬だったら、結果も違ったはずだ。ステルヴィオは、後方から厳しい位置取りだったとはいえ、自身の伸びも一息だったあたりは、やはり距離が長かったか。キタノコマンドールも、後方から全く反応せずに終わったが、馬体重がメンバー唯一の二桁減となったあたり、デキにも問題があったように思える。
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