改めて認識「このレースは難しい」 内からスルリとアンドリエッテ

佐藤直文 レース回顧
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走られても不思議なし アンドリエッテ

 心配された雨の影響はほとんどなく、良馬場での施行。であれば、人気通りの決着もあってしかりなのだが、そうは問屋が卸さないのがこのレースの特徴だ。そこそこに流れた展開を考えても、どこからでも上位に来れる競馬だったように思うし、本当にこのレースは難しいと、改めて認識させられる結果となった。

 アンドリエッテは、枠なりに後方のインでジックリと脚を溜める形。1000m通過後にガクンとラップが落ちたところで、中団以降の多くの馬が動いたが、そこでもジッしてと動かず、直線でインをこじ開けて一瞬の脚を生かし切った。何より51キロの軽ハンデも味方したとはいえ、内回り2000mに要求される器用さがあったことと、3歳時にはチューリップ賞2着や秋華賞4着など牝馬三冠路線で好走していた実力を考えれば、走られても不思議はなかったか。

アンドリエッテ

イン追走から抜けてきたアンドリエッテ(黒帽)が重賞初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ワンブレスアウェイもまた、最内枠から道中は全くロスのない立ち回りで、4コーナーで少し外へ進路を取ったが、結果的に直後にいた勝ち馬に進路を譲った形となってしまった。これまた、重賞ではなかなか結果が出ていなかったが、近走は出遅れなどでスムーズな競馬ができていなかったことも確か。上手に運べば、この馬もこれくらい走って不思議はなかったということだろう。

 3着ミエノサクシードは、3コーナーを過ぎてからの勝負どころで外目を回って進出し、一旦は抜け出すかのシーン。先に動いていた分、上位2頭のキレ味に屈した形だが、内容的には負けて強しと言えた。

 4着ヴァフラームは、4コーナーでは3着馬よりも更に外を回る形だったが、長くいい脚を使ったもの。準オープンでも馬券対象になった実績がなかっただけに、驚きを隠せないが、ブリンカーの効果と50キロのハンデが生きたのだろう。

 5着ミリッサは、好位でスムーズに流れに乗れていたが、直線でいざ追い出されてからの反応が一息だった。前で運んだにしろ、本来はもっとキレる馬であり、2000mは微妙に長いのか。

 レイホーロマンスは、後方で脚を溜めての直線勝負だったが、上位2頭とは対照的に器用さに欠けるため、この舞台は合わない印象を受けたし、理想はもう少し時計のかかる馬場だろう。キンショーユキヒメは、勝負どころから外目を回って動いて行ったが、これまた本来の伸びが見られず。他馬との比較で55キロのハンデも響いたことだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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