トップハンデも何のその 中山の鬼ウインブライトが初笑い

佐藤直文 レース回顧
中山金杯

充実のウインブライト 次のターゲットは…

 直前に行われた1200mのオープン特別カーバンクルSが、レコードにコンマ3秒差の1分7秒0。直後の1000万条件のマイル戦でも1分32秒8という時計が示すように例年よりも高速化した馬場で、前半1000m59秒9という流れは数字ほど速くはなく、道中で一気に進出する馬も見られた。そういったジョッキーの駆け引きにも見応えがあったが、やはり結果的には動かずに脚を溜めていた馬に軍配が上がったと言える。

 ウインブライトは、この馬としてはいつもより控えた中団の位置取りで、3コーナーで後続にマクられたところでも我関せずとばかりに脚を溜め、混戦のゴール前で力強く抜け出したもの。展開も向いたとはいえ、改めて高いコース適性を示したとともに、58キロのトップハンデも克服したのだから、目下の充実ぶりもアピールしたと言えよう。おそらく次走は連覇のかかる中山記念だろうが、昨年同様にGI馬たちを一蹴する可能性も十分ある。

ウインブライト

重賞4勝目をあげたウインブライト(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ステイフーリッシュは、本来はもう少し前で運びたかったのだろうが、外枠もあって序盤は無理せず後方から。そして、向正の中間点あたりから一気に馬群の外を進出したが、これはこれで鞍上の好判断だったように思う。結果的には動いた分だけラストの伸びが鈍ったとはいえ、今年の飛躍が期待できる内容だった。

 3着タニノフランケルは、力む面も見せずにマイペースの逃げを打ち、最後まで渋太く脚を使って粘ったもの。2走前のセントライト記念こそ離し気味の逃げで後続に掴まったが、当時は距離も幾分長かったはずで、直線に坂のある2000mというコースは適条件かもしれない。

 4着アドマイヤリードは、内枠を利して絶好と言える好位のポジションに収まり、4コーナーを回ったあたりでも抜群の手応えだったが、そこから思いのほか弾けなかったのは、やはり2000mが微妙に長いのだろう。

 5着タイムフライヤーは、2着馬の仕掛けに対して後を追うようにして進出したが、動くのならマクって4コーナー先頭の形の方が良かったのではないか。そこまで器用な馬でもないので、少し中途半端な競馬になった感を受けたが、いずれにしろ完全復活にはもうワンランクの良化が必要だろう。

 マウントゴールドは、立ち遅れ気味のスタートで理想のポジションが取れなかった上に、道中も馬群に包まれたために動くに動けなかったもの。やはり前へ行ってこその馬であり、今日のところは全く自分の競馬ができなかった参考外の一戦と見ていい。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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