禁止薬物問題で「印を打った馬が…」 レース前から“衝撃”の電撃戦を激論

発走前から大波乱　取消馬続出で様相一変

デスク「しかし、たまげたな。金曜の深夜に、対象馬は競走除外や出走取消の措置を取るとの一報が入ったんだけど、その対象馬が発表されたのは土曜の朝。函館スプリントＳでも、断然人気が予想されたダノンスマッシュをはじめ、６頭もの出走取消が出たのにはビックリしたよ。中でも、紙面レイアウトなども担当している木谷は大変だったな」

木谷「いや～、土曜日の朝はホント参りましたよ。予想の方でも、せっかくダノンスマッシュ消しからの◎シュウジで一儲け…、と考えていたんですが、印を打った馬がほとんどいなくなってしまいましたからね…。皆さんの予想もガラッと変わってしまったんじゃないですか？」

清野「私はダノンスマッシュでしょうがないか、と思っていたんですが、ここまでメンバーが軽くなってしまうと、今度はタワーオブロンドンでしょうがないか、と思います」

打越「タワーオブロンドンは初の１２００ｍ戦になるとはいえ、スピードは申し分ないし、安田記念を見送ってここを使ってきたのも、陣営が名を捨てて実を取りにきた証拠だろ。前走に引き続いての鞍上レーンで、ここをステップにして秋に大きなところを狙う存在となるんじゃないかな」

馬場「１２００ｍ戦は、元々陣営が試してみたかった条件だったんですよね。洋芝は札幌での実績がある馬ですし、前走のレコードＶを考えれば、馬場が回復してのスピード決着になったとしても、むしろ望むところでしょう」

板子「それは函館入りしている藤沢和師も“１２００ｍはデビュー前から使ってみたかった距離”と話してましたね。この中間に関しては、千島助手によると“先週に美浦で追っているので息を整える程度で十分”とのことでしたが、“スピード勝負になってほしいから、天気が心配”とも。理想はやっぱり良馬場でしょうね」

落合「もちろん、ダノンスマッシュの取消が追い風になったことは確かだけど、たとえ出走できていたとしても、前走からの出走間隔を考えると、タワーオブロンドンに食指が動いて当然だよ。ルメールや武豊の海外遠征もあって、今年の函館開幕週はジョッキーの顔ぶれも少し淋しいけど、日曜はレーンが盛り上げてくれそうだな」

デスク「本紙中田もそんなどころか？」

中田「予期せず頭数が減って、しかもペースメーカーとなりそうな馬たちも取消になりましたからね。重賞としてはかなりゆったりした流れになりそうですし、初の１２００ｍであってもタワーオブロンドンに分があると見ました」

ライバルの取消で最有力の存在となったタワーオブロンドン（撮影：日刊ゲンダイ）

小桧山「俺は３歳馬アスターペガサスの出番と見たぞ。函館で２戦２勝だけど、函館２歳Ｓでは出遅れて前残りの流れを差し切ったんだから、相当なコース適性があると見ていいし、タワーに６キロという斤量のアドバンテージはやっぱり大きいよ。近年の函館の高速馬場で１分７秒前後の決着では厳しかったと思えるけど、雨で時計がかかるのはこの馬には有利に働くはずだぞ」

木谷「出走馬の半分近くが消えてしまったのなら、やはり５２キロの３歳馬アスターペガサスに期待してみたいですよね。前回は函館２歳Ｓ以来の１２００ｍ戦でしたが、３歳馬は１２００ｍのレースが少ないので、距離延長で使われて一息だった馬が夏に息を吹き返すというのは、毎年恒例の光景です。少頭数とはいえ、揉まれず運べそうな外枠もいいですよ」

三代川「過去１０年のこのレースで馬券対象となった３歳馬は７頭いますが、うち６頭は重賞・オープンで勝ち鞍があった馬で、同じく６頭は芝１２００ｍの複勝率が７５％を超えていた馬です。そういうデータ面でもアスターペガサスはクリアできているんですが、実は父ジャイアンツコーズウェイにも、産駒が芝では良馬場よりも稍重～不良馬場の方が好走率も高くなるというデータがあるんです」

瀬古「スムーズに折り合って本来の鋭い決め手を発揮した前走の葵Ｓは、道中で行きたがってチグハグになった橘Ｓから見事な変り身を見せて、改めて芝１２００ｍがベストであることを印象着けましたね。そこから中２週での函館遠征になりますが、“レース後の回復が早かったのでここを目標にした”と、中竹師も話していたように、こちらへ来てからも元気一杯ですよ」

デスク「そういえば、瀬古ちゃんは久々の北海道出張だな」

瀬古「１０年ぶりですね。もうハシャぐ歳ではなくなりましたが、途中でバテないよう、ペース配分に気を付けてやっていきたいです」

デスク「北海道は食いものもおいしいし、アッチの方もアレだし。それで途中で大変なことになってしまう“ＴＭあるある”もあるからな。まぁ、ウチのＴＭにはそんなヤツはいないと信じてるが…」