スカイグルーヴに賛否「安全策でも勝負になる」「ズバ抜けた存在では…」
信ずべきはこの舞台での勝ちっぷり 本紙武井はゼノヴァース
デスク「京成杯は、近3年連続で連対している葉牡丹賞組を買っておけばいい、というわかりやすいレースなんだが、今年はその組が不在で難しくなっているよな。2勝馬が2頭いるとはいえ、これまた傾向通りに1勝馬でも十分に足りそうな気もするんだが」
武井「◎には未勝利勝ちとはいえ中山2000mでの前走が好内容だったゼノヴァースを指名します。好位で折り合いを付けて直線では余力十分に抜け出しての2馬身半差。後方からの競馬に終始して不完全燃焼だった東京での2戦とは一変のレースぶりでした。時計も驚異的なレコードだった開幕週の葉牡丹賞には及びませんでしたが、ホープフルSを上回る優秀なものでしたし、同じ舞台なら重賞でも十分に足りるはずです」
佐藤直「例年、葉牡丹賞好走組が強いというのは、それだけ中山2000mという舞台の特殊性が高く、経験の強味が大きいということなんだよな。ゼノヴァースは、今の馬場への適性も高そうだし、勝負になるだろう」
大江原「今回、他に人気を集めそうなスカイグルーヴ、ヒュッゲ、ロールオブサンダーといったあたりが、いずれも逃げて結果を出している馬なんだよ。それらが好位差しに転じてスムーズに折り合えるかは未知の部分だし、いずれにしろ淀みない流れになるはず。となると、展開的にも差せるゼノヴァースに向くはずだし、敗れたとはいえ初戦でディープ産駒特有のキレ味も証明済みだからな」
馬場「陣営も、前走については“馬込みで問題なく運べたし、センスも見せたいい内容”と、手放しで褒めていましたし、“キレるというより長く良い脚を使えるタイプで、この舞台は合っている”と、通用をアピールしてましたね。馬場差があって単純な比較はできませんが、前走の勝ち時計は京成杯の過去10年の勝ちタイムと比較しても2番目に相当するものですし、素直に信頼していいと思います」
久光「僕はスカイグルーヴを狙います。新馬戦は相手に恵まれた面もあったとはいえ、ラスト3ハロンが11秒8-11秒2-11秒1の加速ラップを、手綱を抑える手応えでマークした脚力は、間違いなく一級品でしょう。牡馬相手の重賞でも素材でヒケを取る印象を受けませんし、多頭数への不安がないこともないですが、外を回すなどの安全策でも勝負になるくらいの器だと感じています。ここは先々に夢が膨らむような走りを見せてほしいですね」
西田「スカイグルーヴの母はドゥラメンテの姉にあたるんですが、陣営によると“血統的な気の悪さは今のところ出してはいない”とのことで、カイバ食いが不安定な面も考慮しつつ負荷をかけて調整できており、圧巻だった初戦からの上積みも十分あると言えますね。現状では脚をタメて運ぶより、スピードを存分に生かした方がいいと思うので、中山内回りの2000mもむしろ合うはずですし、一気の相手強化でもクリアできる器ですよ」
木谷「スカイグルーヴの新馬戦は確かに強かったですが、負かした馬達がまだ1頭も勝ち上がっていないのでレベルに疑問符がつきますよね。勝ち時計も同日の1勝クラス、百日草特別よりも速いとは言いますが、その百日草特別は5頭立て。ラスト2ハロンで見ればスカイグルーヴの22秒3に対して百日草特別が22秒1ですから、ズバ抜けた存在とは言えないと思います。先週のアヌラーダプラと同様に、東京→中山という条件替わりでもありますし、僕は“消し”にしました」
デスク「先週の木谷の“アヌラーダプラ抜け”はお見事だったが、それで予想も当てていればもっとカッコ良かったんだけどな…」
小島「僕は、2勝馬で、かつメンバーで唯一の重賞出走歴があるロールオブサンダーを素直に買いますよ。その前走の京都2歳Sは勝ち馬の決め手に屈して3着と敗れましたが、マークされる形での競馬を思えば、そう悲観する内容ではないと思います。初の中山も脚質的には合うはずですし、ここ2戦こそ逃げていますが初戦のように控える競馬もできる馬です。レース経験を積んでイレ込みもマシになっていますし、長距離輸送も問題ないでしょう」
瀬古「ロールオブサンダーの前走は、プラス20キロの馬体増でしたが、戦前の取材でも聞いていたとおりで太目感はなく、それまでのスラッとした体型から実の入った逞しい馬体に変化してましたね。デビューから一貫して2000mを使って崩れがないですし、過去2勝とも稍重発表の馬場だったことを考えれば、雨の影響が残りそうな馬場も合いそうですね」
木谷「ロールオブサンダーは、この時期によくいる、典型的な好走しても人気にならないタイプの馬ですよね。稍重で2戦2勝、行っても控えてもOKなのに加えて、中山&松山騎手&先行馬といえば、皐月賞馬アルアインを思い起させるだけに要注意でしょう」
デスク「同じく3戦2勝のヒュッゲも人気の一角となりそうだけど、こちらはスタッフに◎が一人もいないんだよな」
広田「ヒュッゲは、ハナを切ったここ2戦がともに完勝で、自分のスタイルを確立した印象を受けますね。陣営によると“特にハナにはこだわっていない”とのことですが、同型も揃っているとはいえ、やはり単騎で逃げるのが現状ではベストだと思います。中山コースも長距離輸送も初めてとはなりますが、実戦ではパドックほどテンションも高くはなく、ゲートの出も安定しているので、ここでも自分の競馬ができさえすればチャンスは十分あるはずです」
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