1分7秒3→1分9秒8 「真逆の馬場」でレッドアンシェルが示した資質

佐藤直文 レース回顧
CBC賞

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これで千二は2戦2勝 レッドアンシェル

 中京は、午後になって雨が強まり、レース直前には一層激しくなっての不良馬場。1分9秒8の決着タイムが示す通り、何よりもタフさが要求される一戦となった。

 レッドアンシェルは、出たなりの競馬で中団の外目を手応え良く追走。直線を向いて残り1ハロンで先頭に立ち、そこから突き抜けることはできなかったものの、内からの2着馬の強襲を凌ぎ切った形だ。京都開幕週を1分7秒3で駆けた前走とは真逆の馬場でも、しっかりと対応して勝ち切ったあたりは、スプリンターとしての資質の高さを示すものであり、この先の目標となるスプリンターズSでも上位を争う一頭となるはずだ。

レッドアンシェル

雨中の電撃戦を1番人気に応えて優勝したレッドアンシェル(緑帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着アレスバローズは、後方のインで脚を溜め、直線でもそのまま内ラチ沿いを通って抜け出してきた川田騎手の好騎乗。心配された道悪もさほど苦にしない走りだったが、前走の高松宮記念は不利が全てだったものであり、とにかくこのコースは走る。57.5キロを背負っていたことを考えても、改めて力を示す走りだった。

 3着セイウンコウセイも、58キロのトップハンデを背負って正攻法の競馬で逃げ粘ったのだから、高松宮記念の走りがフロックではなかったことを証明したと言える。年齢的な力の衰えもないと見ていい。

 4着キョウワゼノビアは、後方で脚を溜め、直線では勝ち馬の後を追うように伸びたもの。52キロの軽ハンデも良かったが、こういう馬場も苦にならないのだろう。

 5着ビップライブリーは、馬場のいいところを選びつつの2番手追走だったが、直線で手応えほど伸びなかったのは、馬場云々ではなく、プラス10キロの重目残りだった分か。

 アウィルアウェイは、行き脚がつかず序盤は馬群から離れての最後方。今日の馬場であの位置からではさすがに無理と言えた。ショウナンアンセムは、本来は今日のような馬場は鬼の部類であり、ここまで大きく負けたのは体調面の問題だろう。立て直しには少し時間がかかるかもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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