凡戦だったスプリンターズS されどストレイトガールは強かった

佐藤直文 レース回顧
スプリンターズSシリウスS

これは強い! ダート界に新星誕生 アウォーディー 【シリウスS】

 初ダートの前走で準オープンを勝ち上がった時点で、武豊騎手が『次はシリウスSへ行きましょう』と、進言したアウォーディーが、2連勝での重賞制覇。武豊騎手が前走でそれだけの手応えがあったということであり、実際の勝ちっぷりも相当なものだった。父母ともに芝のGIホースであるが、半妹アムールブリエがダート交流重賞を2連勝する活躍ぶりで、この馬もまた高い適性があったということ。このまま無事ならGIタイトルに手が届いていい馬だろう。

アウォーディー

強い勝ち方でダート界の新星となったアウォーディー(撮影:日刊ゲンダイ)

 ダノンリバティは、3着馬の猛追を何とか凌いだ形の2着だったが、距離は前走の1800mがギリギリの印象。勝ち馬も強かっただけに、見た目ほど能力の限界を示したわけでもない。今後、脚をジックリと溜めて差す競馬を覚えてくれば、もっと上を目指せるはずだ。

 3着ナムラビクターは出遅れが全て。それでも58キロを背負って2着馬を捕らえようかというところまで追い上げたあたり、まだまだ力に衰えはないと言える。

忘れずに買おう 次走の注目馬

 次走の注目馬だが、今週も私のダブルセレクトで。まず一頭目は、中山土曜9R、4着ヒルダ。出負けでポジションが悪くなったのは仕方ないが、直線でジッとしていれば前が開いたのに、外へ持ち出すまでかなりのロスがあったものであり、力負けではない。次走、東京1400mあたりで見直したい。

 二頭目は、中山土曜2R、5着シルクリバー。これまた直線で前が詰まったもので、東京ならと思える内容。初戦から間隔が空いたが、状態はかなり良くなっており、次が狙い目だ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。