驚異的な成長力でタイトル奪取 勝利の女神はマリアライトに 

【佐藤直文 先週のレース回顧】
昨年の1・2着馬を含む古馬勢に、3歳の精鋭が揃った“牝馬頂上決戦”エリザベス女王杯。激戦を制したのは、重賞未勝利、GIも初挑戦のマリアライトであった。

佐藤直文 レース回顧
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成長力で大金星を マリアライト 【エリザベス女王杯】

 雨の影響も心配されたエリザベス女王杯だが、当日朝には雨も上がり、馬場も稍重までに回復した。加えて、ウインリバティの大逃げにより、適度に流れる展開。各馬が力を出し切れる競馬となった。

 マリアライトは、前2頭が飛ばす流れで3番手以下集団のド真ん中の位置取り。終始外目を回っていたものの、前走などと比べてもロスのない立ち回りだった。3角からの下り坂を利して進出し、直線では抜け出すのが少し早いかと思えたが、けっしてキレ味比べの馬場ではなかったこともあり、後続の猛追を凌ぎ切った形だ。年明けには1000万条件で敗れていた馬が驚異的な成長力を見せてのGI制覇。今日のような自在性まで身に付けたとあれば、まだまだ大仕事ができるはずだ。

マリアライト

早めに動いたマリアライトが後続を凌いで戴冠(緑帽、撮影:日刊ゲンダイ)

 ヌーヴォレコルトは、昨年に次ぐクビ差惜敗となったが、枠なりに外を回る形でも自分のペースで運んで直線もよく伸びた。ただ、ロスは最小限に抑えた立ち回りだったとはいえ、やはり大外枠は厳しかったはずで、力は存分に示した2着と言える。

 3着タッチングスピーチは、指定席の最後方ではなく、馬群の中での競馬。ゴール前の脚色も上位2頭を上回る鋭さであったが、3角過ぎの勝負どころで少し反応が悪く、ポジションを上げられなかったのが痛かったか。ただ、流れに乗る形で競馬ができたことは、今後に繋がるはずだ。

 ルージュバックは、躓き気味のスタートで後方からの競馬。そのままポジションを上げられず、4角は最後方で大外を回る形だったが、そこから4着にまで押し上げたあたりが能力の証だろう。久々だったことも加味すれば、やはり世代トップレベルと言って良く、念願のタイトル獲得もそう遠くはないはずだ。

 5着スマートレイアーは、道中で無駄に動かず、最後方から直線だけの競馬で上がりは最速と、持ち味を生かし切った。距離を誤魔化すには最善の乗り方だったと思えるが、やはり2200mは長いと言わざるを得ない。

 ラキシスは、大幅な馬体減だった前走と変わらずの460キロ。調教で攻めてこの数字なら納得できるが、中間は全て単走という調整過程からも、馬体の維持に苦労したことが窺えた。4角でゴチャついてブレーキがかかる不利があったとはいえ、それだけが敗因とは思えない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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