驚異的な成長力でタイトル奪取 勝利の女神はマリアライトに 

佐藤直文 レース回顧
エリザベス女王杯デイリー杯2歳S武蔵野S福島記念

光った鞍上の好判断 ヤマカツエース 【福島記念】

 開催最終日に加えての降雨で、道中の位置取りやコース取りが結果に大きく左右される馬場状態。さらに、馬場を考えればタイトな流れとなり、仕掛けのタイミングも難しい一戦だったように思える。

 勝ったヤマカツエースは、函館記念と札幌記念で好走してきたように、小回り2000mがピッタリの馬。こういう渋った馬場にも適性が高かったと言えるが、それ以上に、津村騎手の好騎乗が光った。最内枠からスムーズに馬場の中ほどへ移動して、全く無駄のない動き。テン乗りでこれだけ巧みに立ち回ったことは賞賛に値する。

 昨年の覇者ミトラは、その昨年よりも早めに先頭に立って押し切りを図る競馬。馬場を考えれば正解ではあったが、57.5キロを背負い、勝ち馬の目標とされては仕方のない2着。年齢的な衰えはないことをアピールした形だ。

 3着ファントムライトは、自分の形に徹したものだが、小回りコースではこれが精一杯。直線の長いコースで改めて注目すべきだ。

 4着ステラウインドは、勝ち馬とは対照的に道中で再三スムーズさを欠いたもの。最後は来ていただけに、もったいない一戦となった。

忘れずに買おう 次走の注目馬

 今回は馬場TMのダブルセレクトで。まず、東京日曜3R、5着ミヤコノアバランチ。先行して粘り込みを図る、今までとは一変のレース振りで、まだ馬体が緩かったことを考えれば、次走の上積みもかなりありそうだ。

 2鞍目は、東京日曜6R、3着ラレッサングル。稽古でビシビシ追われていない状況でこれだけ走ったのは能力の証。ビシっと追えるようになれば、アッサリ勝てる器だ。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。