オークス馬の姉リラヴァティが、強味を生かして重賞初制覇

佐藤直文 レース回顧
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妹に負けてはいられない オークス馬の姉リラヴァティが重賞初V

 午後になってから降り始めた雨がレース前には強まってきて、良発表ながら少し渋った馬場に。前半3ハロン34秒9、1000m通過が59秒6と適度な流れになったことと、雨の影響もあって、瞬発力勝負の馬には少し厳しかったか。結果として、渋太さや粘り強さが要求される競馬となった。

 リラヴァティにとっては、好位から早目に仕掛けての4角先頭。一旦は後続に交わされかかりながらも、持ち前の渋太さを最大限に発揮した。そういった決め手不足を補える形の競馬となったことが最大の勝因と言えるが、本をただせば3歳時にはローズSなど重賞で3度の2着があった馬であり、それでいて53キロのハンデも恵まれたものだった。自分の型を持った強味を、今後も生かせるシーンがあるはずだ。

リラヴァティ

早め先頭から粘りに粘って重賞初勝利をあげたリラヴァティ(橙帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ヒルノマテーラは、道中シンガリから直線で一気の末脚を披露したもの。軽量51キロと、極限まで脚を溜める策が功を奏したと言えるが、それにしても一頭だけ際立つ脚を使っており、とてもフロック視などできない。

 3着ココロノアイは、枠なりにロスなく好位のインで運び、直線では残り100mからグイグイと脚を伸ばした。プラス12キロの馬体も成長分と言えそうで、距離の克服や上位2頭よりも重い55キロだったことを考えても、今後が楽しみになる内容であった。

 4着シュンドルボンは、3角からマクリ気味に動いて、直線では一旦勝ち馬より前に出るシーンもあった。その勝ちに動いた分、ラストが甘くなったとも言えるが、マイナス10キロの馬体減が響いたことに加え、2000mも気持ち長い馬であろう。

 5着ハピネスダンサーは、直線でインをついたものの、少し前が詰まり気味で脚を余した印象。ただ、どう乗られてももどかしい馬であることは確かだ。

 レッドオリヴィアは、序盤こそ中団で流れに乗れていたが、勝負どころでポジションを落とし、直線でも前が開かなかったもの。前走では勝ち馬とクビ差の接戦を演じていただけに、ちょっともったいなかった。ナムラアンは、内枠で出負けしたことにより、道中でもモマれる形に。こういう競馬では力を発揮できないのだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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