8分以下の仕上げで横綱相撲 ファインニードルが春秋連覇へ弾み

佐藤直文 レース回顧
セントウルS

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これがGI馬の脚 ファインニードル

 前日の重から当日は稍重に回復していた馬場が、再び降り出した雨の影響でレース直前に重発表となった。そんな馬場状態で、テンの3ハロン33秒3は明らかなオーバーペースと言えたが、渋った馬場は末脚勝負型のキレ味もまた削ぐ形となり、ある程度のポジションで運べていないと厳しい競馬だった。

 ファインニードルは、激しい先行争いを見ながら、道中は好位の外目という絶好のポジション。しかも、スムーズに折り合えていたことで、馬場も斤量も全く不問の横綱相撲を演じた形だ。順調に使われていた昨年とは違い、今年は先を見据えて8分もあるかどうかの仕上げだったが、速い時計の決着とならなかったのは良かったと言えたし、その分だけ次への反動も少ないことだろう。春秋スプリントGI連覇へ、この上ない弾みが付いたと言える。

ファインニードル

秋始動戦で見事な勝利を収めたファインニードル(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ラブカンプーは、抜群のスタートを切りながら、ネロにガンガン競り込まれて、前述したハイラップを刻む形に。その後も直線半ばまで2頭でやり合うストレスの多い競馬だったことを思えば、2着に残ったこと自体を評価すべきだ。勝つことはできなかったとはいえ、サマーシリーズを盛り上げた活躍ぶりには頭が下がり、待望の重賞初制覇もそう遠くはないはずだ。

 3着グレイトチャーターは、道中は後方で自分のペースを守り、直線で力強い伸びを見せたもの。これまでの戦績からも判断できたことではあったが、改めて道悪巧者ぶりをアピールした形だ。

 4着コウエイタケルは、直線で伸びあぐねる馬たちを尻目に、インをついてアワヤのシーン。これまた時計のかかる馬場を味方に付けての好走だった。

 5着ラインスピリットは、前2頭から離れた3番手という理想のポジションで運べていたが、直線ではネロを交わすのが精一杯だった。

 ネロは、実績が示す通りの道悪巧者だったが、あれだけ押して行ってもハナを叩けなかったことで、直線で振り切られてからは苦しくなってしまった。アンヴァルは、追走に苦しんだとはいえ、直線でも反応できなかったあたりは力不足だったと言える。ダイアナヘイローは、今日の馬場では出番がないのも仕方はない馬。アサクサゲンキは、馬場や展開がどうこうの問題ではなく、2・3走前のデキになかった。立て直しが必要だろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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