アーモンドアイに吹くこの上ない追い風 ルメールも自信「彼女はプロ」

今週から3週連続のGI、そのトップバッターを務めるのは秋華賞だ。注目は二冠馬アーモンドアイが史上5頭目の牝馬三冠達成なるかの一点に尽きるが、その相手探し、さらには三冠を阻止する馬の出現があるか、優馬TM陣が激論を戦わせる。

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秋華賞

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三冠濃厚アーモンドアイに 死角はあるのか?

デスク「普通の年なら、春の実績馬に対して、夏に力を付けてきた上がり馬がどう挑むかという図式なんだけど、今年はそんな次元の話ではなく、二冠馬アーモンドアイの一強ムードだな」

中邑「桜花賞がノーステッキで大外一気を決め、オークスは道中で外々を回りながらもゴール前では流す余裕を見せての完勝と、この世代でアーモンドアイの能力が抜けているのは誰の目にも明らかですからね。オークスの勝ち時計はレースレコードにコンマ2秒差の歴代2位の時計でしたが、レコードホルダーのジェンティルドンナより上がり3ハロンは1秒も速いというのは、まさに驚異的数字ですよ」

武井「レースレコードを叩き出した桜花賞にしても、元のレコードホルダーは同じ厩舎の三冠牝馬アパパネですからね。そこでも、上がり3ハロンは他馬よりも1秒以上速いという次元の違う勝ちっぷりでしたし、その桜花賞自体もシンザン記念からの直行という異例のローテーションだったことを考えれば、好走例の少ないオークスからの直行でも、能力発揮に何ら問題はないでしょう」

デスク「ひとつ死角があるとすれば、そこなんだよ。日本の競馬史上、牡馬も含めて三冠馬となった馬で、秋にぶっつけで達成した馬はいないからな」

坂倉「ただ、そういった“ぶっつけ本番”に、ノウハウも実績もある国枝厩舎ですからね」

市場「僕も不安があるとすればそこだけかな、と思ったんですが、調教VTRでの確認ではありますが、ここ2週とも春よりパワーアップが見て取れて、それでいて動き自体は軽快でしたからね。京都内回りでよほどのロスでもない限り、三冠達成の可能性は高いと思います」

佐藤直「ホント、ひと夏を越してさらに素晴らしい馬体になってるぞ。輸送前の486キロから、おそらく減ってもオークスからプラス10キロくらいでの出走になると思うけど、これはまんま成長分と考えていいよ」

瀬古「僕がアーモンドアイに気懸かりな点は、スタートなんですよ。ゲート内で頭を上下する癖があり、デビュー以来、五分にスタートを切れたのはオークスだけ。この舞台での出遅れは致命傷なだけに、取りこぼす可能性はあるんじゃないかと思いますが」

田崎「オークスの時も、不安視する向きもあった東京の2400mをアッサリ克服してみせた馬ですからね。内回り2000mで、たとえ少々の出負けがあったとしても、僕は問題はないと見ています」

小桧山「要は、ぶっつけがどうとか、コースがどうとかいうレベルの馬ではないということだよ。この先はジェンティルドンナのように古馬と伍して戦える馬だと思うし、ルメールなら致命的なミスを犯す可能性もないからな」

那谷アーモンドアイの強さはもちろんのこと、今年はオークス2着馬が不在で、3着馬もトライアルを使えずにぶっつけとなった上に直前での乗り替わりと、三冠達成に向けてこの上ない追い風が吹いていると思うぞ。無理に逆らう必要はないだろうな」

伊利「最終追いが一番時計だったとはいえ、これまでとは違う坂路中心の仕上げになったことは、時計班としても少し疑ってみたい材料ですけどね」

守屋「それについては、“追い日の前日にコースに入れたら、後肢の踏み込みが深くて前肢に当たることがあった。大丈夫だとは思ったが、念のため最終追いも坂路にした。坂路なら、前肢に当たることはほぼないからね”と、国枝師は説明してました。予定の変更があっても凄い時計を叩き出したように、仕上げには陣営も自信を持っていますし、“オークスのような前目の位置を取りに行く競馬ができれば、京都の内回りコースでも大丈夫。普通に走ってくれば負けないと思うよ”と、師は泰然自若でしたよ」

デスク「守屋はルメールにも直接ハナシを聞いてるんだよな」

守屋「追い切り後には“春の時点でかなり高い能力を持っていたし、それを維持できていた。今の時点で大きく成長していなくても、彼女の力を出せれば三冠は獲れるでしょう。馬場入りを少しゴネたこともあったが、コースに入って走り出すと大丈夫だったし、追切ったあとも息は乱れていなかった。彼女はやるべきことはわかっている、プロフェッショナルホースだよ”と。そして、戦い方についても“京都の内回りは位置取りが後ろになると大変。オークスのイメージで臨みたい”と、師と共通の認識を持っているので、迷いもないでしょうね」

アーモンドアイ

史上5頭目の牝馬三冠達成を目指すアーモンドアイ(撮影:日刊ゲンダイ)

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