菊沢Jrの仕掛けから 3~4コーナーで「別格」示したミッキースワロー

佐藤直文 レース回顧
七夕賞
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明暗を分けた地力の差 菊沢Jrが嬉しい重賞初制覇

 時折、雨がチラつく空模様の中で行われた今年の七夕賞。先行勢が揃って競り合う展開も予想されたが、テンの速いマルターズアポジーが先手を取って隊列自体はスンナリ。ただ、前半3F34秒3~5F58秒0の流れは稍重の馬場を考えると速く、縦長の隊列から3角で後続が一気に動く展開で、最後は消耗戦の様相を呈す一戦となった。

 ミッキースワローは、中団の位置から外を動いていく形。3コーナーで菊沢騎手が少し仕掛けると4コーナーでは好位に取り付き、そのまま押し切った。右回りにおける3~4コーナーでの一気の加速はやはり別格で、セントライト記念で皐月賞馬アルアインを負かした実績は伊達でなかった。57.5キロのハンデも考えると、世代上位の末脚は健在だったということだろう。

ミッキースワロー

ミッキースワロー(左)鞍上の菊沢一樹騎手はこれが重賞初制覇(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着クレッシェンドラヴは、スタートでやや後手を踏み、勝負所では勝ち馬を追いかけるように進出。本当は勝ち馬より前で競馬をしたかった印象もあり、一瞬の脚で見劣ったが、この馬もまた重賞レベルで戦えることを示した。右回り、コーナー4つの2000mなら重賞制覇も視野に入ってきたと言える。

 3着ロードヴァンドールは、3番手からの競馬。このハイペースの中で直線も渋太く粘っており、復調したと言える内容。前走の天皇賞(春)はやや中途半端な競馬になってしまい大敗したが、今回のような上がりのかかる展開ならば持ち味が生きる。これもまた、小回りでコーナー4つのコースでの消耗戦なら浮上の余地がある。

 4着ゴールドサーベラスは、後方待機から展開がハマったのもあるが、マイル戦を使われてきた馬だけに、手応え良く追走できて脚も溜まったのだろう。上位2頭や5着アウトライアーズもそうだが、3~4角の馬場の内目が傷んでいる中で、外を回ったというメリットも大きかった。

 ロシュフォールは、新潟や東京といった軽い馬場でのレース経験が多く、ハイペースでの消耗戦に対応する体力がまだ付いていなかった。コーナー4つのコースが良いという血統でもないか。敗因は明らかで、新潟記念に使ってくるようなら面白い。クリノヤマトノオーは一瞬の脚で勝負するタイプだけに、今日のような展開は向かなかった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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