「一頭だけバケモノがいた」カフェファラオに“世界”の予感

佐藤直文 レース回顧
ユニコーンS

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その走りは米三冠馬の父譲り カフェファラオ

 過去5年の勝ち馬がいずれも後にGIタイトルを手にしているレース。格こそGIIIながら、それだけのポテンシャルが要求される一戦と言えるが、今年の勝ち馬に関しては国内のGIは元より、その先の景色を我々に見せてくれそうな予感を覚える。

 そのカフェファラオ。この中間に入念なゲート練習を積んだこともあり、前走のヒヤシンスSとは打って変わって好スタートを決めたが、デキそのものも冬毛が伸びていた前走時とは全く違っていた。前半1000m通過は58秒4という速い流れだったが、余裕の手応えで3コーナー手前では2番手に上がり、直線半ばで満を持して追い出されると一気に後続との差を開いての完勝劇。まさに一頭だけ次元の違う競馬だったと言えるが、走り自体に気負いが見られなかったあたり、距離はもっと延びて良く、世代の枠を超えたダート最強馬への道を歩むのは間違いないだろう。

カフェファラオ

能力の違いを見せたカフェファラオが完勝

 2着デュードヴァンは、スタートが一息で最内枠だったこともあり、下げて自分の競馬に徹した形。直線では外から上がり最速35秒5の脚で鋭く伸び、ここまでコース3戦3勝の相性の良さは示したが、一頭だけバケモノがいたということだ。

 3着ケンシンコウは、人気薄ではあったが、前走の時計自体は1勝クラスとしてはかなり優秀であり、これだけ走ってもけっして驚けない。

 4着サンダーブリッツは、中団で流れに乗り早目の競馬だったが、速い流れを考えれば価値のある掲示板確保だろう。

 5着キタノオクトパスにも、4着馬と同様のことが言えるが、馬格にも恵まれた馬であり、今後の成長次第では先々が楽しみである。

 レッチェバロックは、最初のコーナーまでが長いために息が入らない逃げになってしまったが、小回りコースならある程度距離はこなせても、東京なら1400mがベストだろう。タガノビューティーは、向こう流しで大きく躓いて落馬寸前の不利。その後も走りのリズムが悪かっただけに、今日のところは参考外かもしれない。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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