雨の仁川でレイパパレが満開 コントレイルら人気馬の敗因は?

佐藤直文 レース回顧
大阪杯

新たなる無敗伝説のスタート レイパパレ

 前日の段階では、日曜は朝から終日の雨予報だった阪神だが、午後になって降り出した雨が徐々に強まり、大阪杯の直前には稍重から重へと変更された。一週前の毎日杯ではJRAレコードタイを記録したほどの高速馬場も、一転してのタフな馬場に。もちろん想定していたことではあるが、ここまでの結果は想定できなかった。

 レイパパレは、折り合いに課題を残していた馬だが、こういう前進気勢の強い馬は馬場が悪い時の方がスムーズに運ぶことができるもので、もちろん馬場への適性もあったろうが、とにかく力まずに自分のリズムで走ることができたことが最大の勝因だろう。1000m通過59秒8も今日の馬場を考えれば速めのラップであったが、勝負どころで後続に脚を使わせる形となったことで、直線では他馬を全く寄せ付けなかった。ここまでの5連勝は伊達ではなかったと言えたし、あとは速い時計の決着への対応だけだろう。

レイパパレ

4番人気のレイパパレが無傷の6連勝で戴冠

 2着モズベッロは、序盤は後方でジックリと構え、上位人気馬2頭の動きに合わせるかのように追撃を開始し、その目標を直線でキッチリと捉えて見せた。タフな馬場への適性が高かったことは確かだが、ジョッキーも持ち味を最大に引き出した好騎乗だったのに加え、底力なくしてはできない激走だったか。

 3着コントレイルは、プラス16キロの馬体はほぼ成長分と考えていいが、それでも100のうち90あるかないか、というデキ。この馬場で前を捉えられなかったのは仕方ないとしても、後ろから差される形となったのはその分だったろう。

 4着グランアレグリアは、好位で折り合いを付けて運び、勝負どころで外から動いてきたコントレイルと馬体を併せて進出。直線でも残り1ハロン過ぎまでは2番手を譲らなかったが、距離以上のスタミナを要する馬場となったことで、最後に甘くなってしまった。

 5着サリオスは、前々で運んで4コーナーでは上位人気馬3頭が並んで回る形だったが、そこから馬場の外目に進路を取った2頭とは対照的に、インのラチ沿いに進路を選択。そこまで道悪での走りが悪くなかったからかもしれないが、今日の馬場ではやはり外へ持ち出さないと勝負にならなかっただろう。馬群に入れるとダメなところもあるだけに、そういった面でのワンランクの成長が待たれる。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。