“バテ比べ”を制したトウショウドラフタは、マイルも大丈夫

佐藤直文 レース回顧
ファルコンS

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マイルもOK 豪脚見せたトウショウドラフタ

 馬場改修後の中京芝は、一雨降ると相当タフな馬場になる傾向だが、1分25秒0というダート並みの決着タイムが示す通りの極悪馬場であった。ただ、そんな馬場で逃げたミスキララの前半3ハロンは33秒3というハイラップ。レースの上がり3ハロンが39秒7も要しており、その差は6秒4というとんでもない数字だ。直線で追い比べ、というよりも“バテ比べ”になったのも仕方ないと言える。

 そんな中で、一頭だけ大外から力強い脚で伸びたのがトウショウドラフタ。こういった馬場が合っているとは言えないまでも、それほど苦にするタイプではなく、田辺騎手も直線では落ち着いて少しでも走りやすい大外へ持ち出していた。馬場云々よりも、目下の状態や充実ぶりで勝利を手にしたと言えよう。今日の内容を考えれば、距離延長も全く問題はなく、大目標となるNHKマイルCでも楽しみな一頭だ。

 2着ブレイブスマッシュは、一気の距離短縮もあってか、序盤は後方から運んだが、大外を回った勝ち馬とは対照的に、馬群の内目を縫うように脚を伸ばした。もちろん道悪は巧いのだろうが、それ以上に横山典騎手が巧く乗ったと言える。勝ち馬には完敗の形だが、1400mはやはり短いと思える馬であり、1600~1800mくらいの距離が活躍の場となるはずだ。

 3着シゲルノコギリザメは、離れた2番手で流れに乗って上々の粘り。3着だったシンザン記念もそうだったように、自分のペースで運ぶことができれば本当に渋太い馬だ。冒頭で記したハイラップを考えても、着順以上に評価できる内容であり、またどこかで穴を開けそうだ。

 シュウジは、3着馬と同じような位置取りから、ちょっとわからない失速ぶり。こういう馬場への不安が陣営からも漏れ伝わってこなかっただけに、状態にも問題があったのだろうか。ただ、マイルでも勝っているとはいえ、ベストは1200mという色が一層濃くなったように思う。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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