宝塚で“メジロ・ブランド”復活!? サトノノブレスは今がピーク

佐藤直文 レース回顧
鳴尾記念

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“チーム池江”からまた1頭 サトノノブレスがレコードVで宝塚へ

 3週後に控える宝塚記念へのステップレースとなる鳴尾記念は、開幕初日らしく絶好の馬場コンディション。従来の記録をコンマ2秒更新する2000m1分57秒6の決着となったが、馬場ももちろんのこと、逃げたメイショウナルトが速過ぎず遅過ぎず、それでいて道中で淀みのないラップを刻んだことにより、各馬が流れに乗って力を出し切れた結果だろう。

 サトノノブレスは、好位から運んで4コーナーでは早くも前を捉えるポジションに。2走前の中日新聞杯では時計の要す馬場で2分1秒3の勝ちタイムであったが、時計勝負の競馬にも十分対応できることを示した形だ。前走からマイナス10キロの馬体も、かなり良く見えたし、6歳馬でも今がピークと思える状態だ。かつて生産馬が3連覇を成し遂げた宝塚記念で、“メジロ・ブランド”の復活が期待できるかもしれない。

サトノノブレス

充実期を迎えたサトノノブレスはこれが重賞4勝目(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ステファノスは、久々で次を見据えた余裕の造りだったことを考えれば、よく走っていた。最後に一旦は前へ出た3着馬を差し返したあたりも、底力であろう。ただ、やはり直線の長いコースが理想の馬であり、阪神内回りでは少し長さが足りない印象を受ける。同じ内回りの本番で、どれだけ上積みを示して臨めるかだが、上位を争う一頭であることは間違いない。

 3着プランスぺスカは、正直言って“走られてビックリ”である。2000mの持ち時計も、メンバーで唯一2分を切れていなかった馬であり、レコード決着の時計勝負が向いたわけでもあるまい。枠なりにロスなく運べたこと、それくらいしか好走の因が見つからないのだが…。

 4着パッションダンスは、前走を含めた重賞3勝が全て新潟2000mの馬。ただ、勝ち馬よりも前で運んで、渋太く粘り込んだ内容から、新潟だけの馬ではないと見るべきだ。前走の回顧でも触れたが、長期のブランクがあったために、まだキャリアは20戦ちょっとの馬であり、8歳でもまだまだ活躍できるはずだ。

 5着マジェスティハーツは、2着馬よりも後ろのポジションから見せ場十分の末脚を披露したもの。思えば、昨年もラブリーデイの2着に好走した馬であり、距離のみならず前走ではダートを試されたりしたが、芝2000mがベストの舞台だろう。

 ヤマカツエースは、サトノと一緒に動いて勝ちに行く競馬だったが、この馬にとっては流れがキツかったかもしれない。久々も応えたと思えるが、もうワンランク上の成長が待たれる。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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