モーリス不人気で記者◎はアノ馬に集中 天皇賞・秋トークバトル

今週は中距離における最高峰の座を賭けた戦い、天皇賞・秋。内外のマイルGIを4勝している昨年の年度代表馬モーリスが、中距離王の称号も手にするのか。それとも、毎日王冠好走組や、昨年の1・2着馬らが壁となって立ちはだかるのか。そして海外でGIを制した馬たちも国内GI初制覇を狙ってきた。数々の名勝負を刻んできた東京2000mに、今年はどんなドラマが待ち受けているのか。優馬TM陣が激論を戦わせる。

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天皇賞(秋)

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意外と低いTM人気 本紙◎モーリスの取捨は?

デスク「今年の最大の注目点は、これまでマイル路線を歩んできた昨年の年度代表馬モーリスの参戦だよな。試走の意味合いも強かった前走はともかくとして、2000mで、この相手で、マイル戦と同じ強さを見せつけてくれるのかどうか」

武井モーリスについては、ここ2戦連続で2着に敗れたことをどう見るか、という点も鍵になりますが、安田記念は帰国後に東京競馬場での調整となって本調子にはない状態、札幌記念も外枠と道悪という悪い条件が重なっただけでしょう。課題だったゲート難は完全に克服しましたし、久しぶりの中距離戦だった前走でも折り合いはスムーズでしたから、敗戦の中でも収穫は得ていると言えます。この中間は久しぶりに長めから追い切りができたように、状態は間違いなく前2走以上で、癖を知るムーア騎手を迎えられたのも何よりです。もちろん距離は全く問題ないと思いますね」

デスク「ただ、断然人気のモーリスに、ウチのTMたちは意外と◎が少ないんだよな。田崎なんか“抜け”だし…」

田崎「今回は本紙担当レースではないので、より大胆に攻めてみたわけですが、実力は認めてもマイルがベストなのは動かし難い事実だと思います。ムーア騎乗で人気が集中するなら、なおさら買いたくないですね」

デスク「当然、自信の◎を打ってくると思っていた堀厩舎担当のコジも○にとどめたんだな」

小島「距離に関しては、前走が“内容としては悪くなかった”という厩舎側の判断で、むしろ2000mにメドが立ったと言えます。ただ、懸念すべき点は、相手関係かと思うんですよ。正直、マイル路線ではこの馬を脅かす存在がなかったとも言えますし、層が厚い中距離でも“ドンと来い”という雰囲気はなかったですね。悪条件が重なったとはいえ、札幌記念は“2000mでも最高のパフォーマンスができる”ということを示したわけではないですし、人気になるほど…ってところです」

モーリス

名手ムーアを再び鞍上に迎えて二階級制覇に挑むモーリス(桃帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

デスク「対して、TMの◎の数が一番多かったのがアンビシャスだな」

大江原「俺もマイルなら“モーリス最強”に疑いの余地はないけど、東京2000mなら有力どころと紙一重だよ。展開、位置取り、仕掛けのタイミングなどで、上位はどの馬にもチャンスがあると思うけど、思い切りの良さではピカイチの鞍上に戻ったアンビシャスに期待したんだ。どういうレース運びになるのかはわからんが、勝つか大敗か、大バクチを打つ戦法も勝つための要素だよな」

持木「僕は、ここにその名があればモーリス以上に人気になっていたと思えるドゥラメンテを、クビ差まで追い詰めた中山記念のパフォーマンスを信じたいですね」

須藤「加えて、キタサンブラックに競り勝った大阪杯の内容からも、アンビシャスが古馬中距離路線のトップクラスに昇り詰めたことは確かです。まだ未完成だった昨年の時点でも5着に健闘していたわけですから、本格化した今年は期待できると思います」

小桧山「前走の毎日王冠でもテンションが高くって、まだ粗削りな面も残っているけど、3キロの斤量差があってのクビ差2着なら、勝ちに等しいと言えるぞ。精神面はともかく、体力面では確実に成長しているわけだし、先週の日曜メインで拍手が起こったほどの逃げ切り勝ちを決めた鞍上に、俺も期待してるんだ」

小島「横山典騎手なら、いかにも何か仕掛けてきそうですよね。トライアル仕様の仕上げだった前走を使っての上積みも、かなり見込めそうですし」

デスク「ただ、過去2回とも先行させている鞍上が、何をやらかすか、だよな」

瀬古アンビシャスの前走に関しては、折り合いもスムーズに付いていましたし、らしい伸びを見せましたね。本番で乗れないことが決まっていたルメール騎手で敢えて臨んだのは“先行策ではなく、脚を溜めて決め手を引き出す競馬をさせて本番に向かわせたい”という陣営の思惑があったためなんです。だから、負けたことを除けば理想的な前哨戦だったことになりますよ。“直線に向くまでずっと折り合いを欠いていた”昨年でも、コンマ2秒差でしたから、折り合いさえクリアできれば勝てるはずです。よもや、逃げる、なんてことはないですよ」

佐藤直「このレースは、過去10年の全てで連対馬を出している毎日王冠組を読み解くことで答えが出るんだよ。もちろん、毎日王冠の結果がそのまま結び付くわけではなくて、中2週というタイトなローテーションのせいか、余力を残して好走した馬。つまり、速い時計の決着より、遅い時計の決着で好走した馬の方が信頼できるんだ。1分46秒6の決着だった今年は、当然、後者のパターン。これまた距離に少々の不安があるルージュバックアンビシャスが逆転するというのが、答えだよ」

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