今後はマイルもOK 蝶のように立ち回り、カシアスが差す!

佐藤直文 レース回顧
函館2歳S

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短期間での成長力 カシアス

 函館2歳Sは、良馬場に回復していたとはいえ、土曜の朝までに降った雨の影響が残って、この開催としては平凡な1分10秒0の決着。例年以上の高速馬場だった開催で、1分9秒台で勝ち上がった馬に人気が集まっていたが、結果的には持ち時計がなくても来れる馬場状態だったように思う。

 カシアスは、初戦より2戦目、そして今回と、レースごとに立ち回りが上手になっていた。2戦使えたことのアドバンテージを生かしたと言えるが、中1週からの中2週でも馬体が増えていたあたり、短期間での成長があったのだろう。キンシャサノキセキ産駒ではあるが、けっして1200m向きというタイプでもなく、今後はマイル戦あたりが活躍の場となるのではないだろうか。

 2着ウインジェルべーラは、新馬勝ちが1分10秒6という平凡なタイムで人気にもならなかったが、落馬負傷のために乗れなかった松岡騎手がかなり気に入っていた馬だった。積極的な運びで、直線を向いて逃げ馬を交わしたあたりでは完全な勝ちパターンかと思えたが、最後も尻尾を振りながら渋太く粘っていた。時計のかかる馬場では今後も目が離せない。

 3着アリアは、テンから出して行かずに脚を溜める競馬だったが、思ったほど弾けなかった。中間点を過ぎてからは鞍上の手も動きっぱなしで、これまた1200mは本質的に少し忙しいのかもしれない。

 4着デルマキセキは、中間に順調さを欠いたことを考えれば、よく走っている。速い脚を使えるタイプではないが、パワーを要す馬場が合っている印象を受けた。

 5着パッセは、2着馬に早目に来られる厳しい展開だったが、最後まで渋太く伸びていた。福島からの転戦馬で今回が初コースだったが、洋芝自体は合っている馬だろう。

 ナンヨープランタンは、内枠での出負けが響いたとはいえ、あまりにも離され過ぎたか。最速の上がりで能力は示していたが、この馬も1200mでどうこうのタイプではないだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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