6番人気の評価は低すぎた? 流れに乗って完勝エテルナミノル

佐藤直文 レース回顧
愛知杯

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課題のスタートを克服 エテルナミノル

 馬場改修後の近5回の馬券対象馬15頭中、前走で条件戦を使っていた馬が9頭、実際に条件級からの格上挑戦だった馬が6頭も数えるという、いかにもハンデ戦らしい傾向。今年も、格上挑戦馬が7頭も出走し、そのうち3頭が上位5番人気以内の支持を受けていたが、結果的に馬券に絡んだのは人気薄の馬で、とにかく難解な一戦だったと言える。

 エテルナミノルは、課題のスタートを決めて、前半1000m60秒3の平均ペースを好位で巧く流れに乗れていた。直線では早目に抜け出す形となった分、後続に詰め寄られたが、内容的には完勝だったと言える。出遅れながら長く脚を使ってコンマ1秒差まで追い上げた前走の回顧で“GIIIは勝てるレベル”と書いたが、その通りの強さであり、むしろ6番人気の評価が低すぎた感すら受ける。距離の融通も効くタイプだけに、今後も牝馬限定重賞では目が離せないだろう。

 2着レイホーロマンスは、後方からジックリ脚を溜めて運び、直線では外からグイグイと勝ち馬に迫ったもの。目下の状態の良さと51キロの軽ハンデを生かし切ったと言えるが、フロック視はできない内容であり、これまた距離の適性が幅広いタイプだけに今後も楽しみとなる。

 3着マキシマムドパリは、序盤で位置取りが悪くなる不利があり、本来の形で運ぶことができなかったが、直線を向いてほぼ同じポジションだった2着馬に追い負けたのは56キロのトップハンデを背負っていた分であり、今日のところは仕方なかったか。

 4着リカビトスは、2・3着馬よりも更に後ろの位置取りで、直線では馬群を捌きつつ伸びていたものの、ここまでが精一杯だった。いずれは重賞を勝てる素質馬だが、もう少しいいポジションに流れに乗れることが今後の課題だろう。

 5着メイズオブオナーは、いつもよりは前目の位置で運べていたが、直線で少しゴチャ付いたところもあり、スパッとはキレなかった。ただ、自己条件に戻れば力上位の存在であることは確かだ。

 シンガリ入線となったタニノアーバンシーは、鞍上や血統で人気を集めた形だったが、明らかに重賞では敷居が高かったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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