相手に恵まれたとはいえ… 完全復活シャケトラが盾へロックオン

佐藤直文 レース回顧
阪神大賞典

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反動も距離不安も杞憂に シャケトラ

 春の天皇賞へ向けての重要なステップレースという位置付けであるが、今年は暮れのステイヤーズSから続く長距離路線の延長戦上、といったメンバー構成。大阪杯のGI昇格の影響とも言えそうだが、それにしても出走全馬が6歳以上というのは少し淋しいと言わざるを得ない。

 そんな中にあって、実績も人気も抜けた存在のシャケトラ。長距離戦としては淀みない、この馬には理想的な流れになったこともあったが、スムーズに折り合いが付いて、直線で抜け出してからも全く危なげのない完勝だった。13ヶ月ぶりの前走を快勝しての反動や、実績のない距離への不安もあったとはいえ、どちらも杞憂に過ぎなかったと言える。今日のところはメンバーにも恵まれたものの、天皇賞でも有力の一頭となることは間違いない。

シャケトラ

シャケトラが2着に5馬身差をつけての快勝(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着カフジプリンスは、勝負どころでの手応えの差が、馬なりで前を行く勝ち馬とは歴然としていたが、直線では手応え以上に渋太い伸びを見せた。格下の身ではあったが、3歳時には菊花賞へ駒を進め、3番人気に推されたほどの馬であり、今後も長丁場では目が離せない存在となるだろう。

 3着ロードヴァンドールは、序盤で絡んできたサイモンラムセスにハナを譲り、2コーナーから交わして先頭に立って後続を離す形。けっして楽なペースではなく、その貯金も4コーナーまでに使い果たしたとはいえ、後続に脚を使わせたことで馬券圏内に踏みとどまった。これまで出走した最長距離は2500mの馬ではあったが、長丁場への適性は十分に示したと言えよう。

 4着ソールインパクトは、上がりのかかる展開も利して好位のインから流れ込んだもの。この馬らしい競馬はできていたか。

 5着アドマイヤエイカンは、今日のような馬場が合わないのだろうが、それ以上に、ステイヤーズS→万葉Sと長丁場を連戦してきた疲れが抜け切れていない感を受けた。

 リッジマンにも同じことが言えるだろう。ステイヤーズS当時の覇気が感じられなかったのは、その後に中2週で有馬記念を使っての疲労が、十分に回復できていなかったと思われる。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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