ゴール前でファイト一発 「噛み合った」伏兵エメラルが皐月へ

佐藤直文 レース回顧
スプリングS

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スムーズな競馬ができれば本番でも エメラルファイト

 優馬紙面のコラムでも書いたとおり、近年は朝日杯FS上位組に、遅れてきた素質馬が挑むという図式になっているが、特に最近5年に限れば後者が圧倒的に強く、前走で500万を勝ち上がった馬は毎年連対馬を出しているばかりか、〔4・3・0・9〕の好成績だった。今年も終わってみれば、という結果になったが、対象馬3頭のうち、勝ち馬だけをマークできなかったのは、予想者として大いに反省すべき点だ。

 そのエメラルファイト。スタート決めて道中は先団と後方の馬群の間の一番いいポジションで追走できた。勝負どころから馬場の良い外目から余裕の手応えで前へ押し上げ、直線で先に抜けた3着馬を交わし、2着馬の追撃を凌いだところがゴールだった。朝日杯FSでは6着止まりだったとはいえ、上がり3ハロンは最速だった馬であり、今日のように流れに乗った競馬ができれば、これくらい走って当然だったとも言えるが、体調面でもうまく噛み合っての勝利であろう。本番でも今日のようなスムーズな競馬ができれば、チャンスはあるのではないだろうか。

エメラルファイト

外ファンタジストの追撃を抑えたエメラルファイト(黄帽)(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着ファンタジストは、距離を考えてテンから控える競馬で、前が引っ張る流れだったことで折り合いもスムーズに付いていた。最内枠ながら馬場のいい外目を走らせたあたりも、さすがは武豊騎手。最後にアタマ差届かなかったのは、先を見据えた余裕の仕上げだった分と見て良く、距離も問題はなかった。本番へ向けて収穫の大きいレースだったと言えよう。

 3着ディキシーナイトは、正攻法の競馬で直線の坂上では一旦並ばれた勝ち馬を差し返し気味に先頭に立つシーンもあった。最後に伸び負けたのは、目標にされたことと、1600m→1400mと使っての距離延長となった分。能力の高さは十分に示したように思う。

 4着タガノディアマンテは、口向きの悪さなど難しい面を見せながらの追走だったが、ラストはなかなかの伸び脚。課題が残るとはいえ、もう少し距離が延びていいタイプだろう。

 5着ヒシイグアスは、ハナに行く構えだったが内から行ったクリノガウディーに譲る形で2番手に。こういう競馬も覚えて行かなければならないのだが、今日のところはけっしてスムーズな追走ではなかった。直線では馬場の荒れた内目で伸び負けたのも仕方はなかったろう。そういう意味では評価を大きく下げるべきではないのだが、今後に向けては大きく減っていた馬体も気になるところだ。

 クリノガウディーは、内枠もあってハナへ行ったのだろうが、基本的にはどんな競馬でもできそうなタイプ。今日のところは急仕上げの分と言えそうだ。ロジャーバローズは、外枠からうまく内へ潜り込んで、道中は勝ち馬と同じようなポジションで運べていたが、現状では力不足だったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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