「最終開催の12月28日固定」は見送り JRAが発表した来年のスケジュールを検証

馬声人語

牝馬路線改善の効果は?

 驚いたのが紫苑SのGIII昇格。これの意味するところは何か、と考えると「秋華賞の売り上げアップ」に行きつくのかもしれない。皆さんもお気付きかと思うが、秋華賞はローズS組がとにかく強いレース。もうひとつのトライアルである紫苑Sは、イレギュラーな新潟開催だった年を除けば馬券に絡んだ馬はゼロ。そこで紫苑Sを重賞に格上げし、優先出走権の範囲も拡大することで有力馬をある程度分散させ、本番の秋華賞における馬券的妙味を引き出そうとするものだろう。

 12月の第3週に中山の芝1600mで行われる牝馬限定戦の重賞、ターコイズSが新設されたことで年末年始の牝馬重賞スケジュールも変わった。同時期に中京で行われていた愛知杯が1月の中京開催へ移動。玉突きで移動するように、京都牝馬Sが2月の3週目へ移動し、距離も1400mへ変更。これにより京都牝馬Sが高松宮記念まで中4週となり、前哨戦としての位置付けも持つようになる。

 一方、1600mへ距離が延長された阪神牝馬Sは、ヴィクトリアマイルへの前哨戦という意味合いが更に強くなった。ただ、福島牝馬Sに関してはどうだろう。負担重量が改定され、これまでは重い斤量を背負わなければいけなかった実績馬達がより参戦しやすくなった。しかし、気になるのは日程の方だ。ヴィクトリアマイルまで中2週ではいささか短すぎる気もしないではない。3週間ある福島開催の最終週ではなく、1週目か2週目に移動して、ヴィクトリアマイルとの間隔をもっとあけるべきであるように感じる。

馬券の購入がスケジュールを左右する?

 さて、冒頭でもちらっと触れた「12月28日問題」だが、既に競馬法施行規則の改正に関わる省令は出されており、やろうと思えばやれる状態ではある。しかし、年の瀬の28日、休みの日ならまだしも平日に競馬があった所でどれだけの人が参加できるのか。有馬記念を28日の平日に施行するとは思えないが、阪神Cをそこで行う可能性は決して低くはない。

 こういった懸念に対して最も効果があると思われるのが「馬券を買う」ことではないだろうか。こう言うとJRAの回し者のようではあるが、日程に関係なく有馬記念諸々の馬券の売り上げが計算できるのであれば、そんな必要は無くなるかもしれない。一石を投じる、もとい馬券を投じることで意見を表明する。微力ながら私もいつも以上に馬券を投じてみる所存である。

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