雪の舞い散る「過酷なレース」 14番人気の激走はフロックか

佐藤直文 レース回顧
中山牝馬S

バッドコンディションでも軽快な舞い フェアリーポルカ

 東京で桜の開花宣言が出たというのに、雨が雪に変わっての人間にとっては震え上がるほどの寒さ。北国生まれのサラブレッドにはさしたる問題はないのかもしれないが、加えての不良馬場は明らかにバッドコンディションであった。そんな馬場での前半1000m通過60秒8のラップは過酷な流れで、好位追走組にとっても厳しかったと言える。

 フェアリーポルカは、先行集団を見ながら中団の内々で追走する形だったが、流れが速くても後方待機組の瞬発力が生きない馬場であり、そういう意味では理想的なポジションだったか。4コーナーで巧く外へ持ち出すと、力強い伸びを見せての快勝で、52キロの斤量を生かしたばかりか、道悪への適性も十分に示す走りだった。

フェアリーポルカ

厳しい条件での一戦を制したのはフェアリーポルカ(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着リュヌルージュは、今日の流れの2番手追走が決して楽ではなかったことを考えると、14番人気でもフロック視はできない走り。タフな馬場での50キロのハンデも効いたと思えるが、それなりの力も付けていると見るべきだ。

 3着エスポワールは、この馬としては控える形のポジションで、勝負どころから外を回っていい手応えで進出したものの、今日の馬場では弾けるまでに至らなかった。少し構え過ぎた感も否めない。

 4着デンコウアンジュは、3着馬よりも後ろのポジションから良く脚を伸ばしたものの、やはり今日の馬場では厳しく、最後は56キロのハンデも応えて伸び負けた形だ。

 5着レイホーロマンスは、序盤で後手に回ってシンガリからの競馬。直線で内からメンバー最速の上がりで差を詰めたが、ここまでだった。

 コントラチェックは、楽に行かせてもらえるかとも思われた中での予期せぬ流れ。自分の競馬に持ち込めなかったのが全てと言えるが、それにしてもシンガリ負けとなったのは、道悪も全くダメな馬なのだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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