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佐藤直文 レース回顧
ファンタジーSアルゼンチン共和国杯京王杯2歳SみやこS

センスと鞍上の好判断で ボールライトニング 【京王杯2歳S】

 テンの3ハロンが36秒5のスローペースで、道中は各馬が引っ張り合う展開。レースの上がりが33秒5なのだから、中団以降で運んだ馬に出番があるはずはなかった。

 ボールライトニングは、不利な大外枠から無理なく好位のポジションに収まった。センスの良さを示すと同時に、鞍上の好判断が光ったと言えるが、距離はまだ延びても大丈夫であり、暮れの朝日杯でも主役の一頭となるはずだ。

ボールライトニング

暮れの朝日杯でも期待ができる走りを見せたボールライトニング(撮影:日刊ゲンダイ)

 2着アドマイヤモラールも、外目の枠から無理にタメ殺さずスムーズに好位へ。レースの上がり自体が早いために目立ちはしなかったが、しっかりと脚を使っており、これまた距離が延びていいタイプだろう。

 3着シャドウアプローチは、絶好位で競馬ができた割には物足りぬ内容。それも含めた上位入線組は、前にいて流れ込んだだけ、という見方もできる。

 展開に泣いた組では、出遅れて最後方からとなったもののモーゼスの末脚が目立っていた。最内枠で大出遅れのレッドカーペットは、気性面での課題をクリアすることが先決だろうが、ともに二桁着順であっても、今日の結果は参考外と見ていい。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。