【アルゼンチン共和国杯回顧】なぜ「良馬場で激走」ハヤヤッコ 6着セレシオン敗因には“距離”も

佐藤直文 レース回顧
アルゼンチン共和国杯

直線で二転三転の攻防を ハヤヤッコが大外から捻じ伏せる

 前半1000m通過が59秒8。この距離としてはかなり速い流れだったが、そこからもペースが緩むことなくハイラップが続いたままで直線へ。底力が問われる典型的な追い込み競馬となった。

 ハヤヤッコは、行き脚が付かずに最後方から運ぶ形となったが、結果的にはこれが正解。人気薄の気楽さもあったとはいえ、自分の競馬に徹したことで、最後はトップハンデをものともしない伸びで前を捉え切った。良馬場まで回復した馬場はけっしてプラスではなかった道悪巧者だが、8歳の秋にしてこれだけの走りができるとは、ハマったにしろ状態面の充実なくしてはできない芸当だったように思う。

ハヤヤッコ

10番人気のハヤヤッコが最後方からの差し切りで重賞3勝目

 2着クロミナンスは、縦長の展開でも惑わされることなく中団後方をジックリと運び、直線では大外から一気に前を呑み込んで先頭に立つ形。後続馬の強襲を受けてゴール前では差し返す脚も見せたが、最後は展開のアヤに泣いたもの。またしても届かなかった重賞タイトルだが、まだチャンスはあるはずだ。

 3着タイセイフェリークは、格下ながら直線では勝ち馬と併せる形で力強い伸び。軽ハンデも利したとはいえ、地力強化を窺わせる走りだった。

 4着アドマイヤハレーも、勝ち馬同様に後方から運んでの直線勝負でハマった形だが、最後は進路を探しながら脚を使ったもので、スムーズに捌けていればもっと際どい勝負になっていたかもしれない。

 セレシオンは、ここ2走よりも前目の位置で流れに乗っていたが、展開的にはそれより後ろの馬の競馬。距離も少し長かったか。サヴォーナも、けっして深追いした訳ではないが、今日の流れでは厳しい位置取りだった。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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