「功を奏した」菱田の強気 2着ライオンボスは“ジンクス”破れず

佐藤直文 レース回顧
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王者の追撃を凌ぎ切って ジョーカナチャンが直線女王を襲名

 昨年までの19回の歴史の中で、57キロ以上の斤量を背負っていた馬が延べ19頭出走し、最高着順は08年シンボリグランの2着。昨年は56キロだった直線王者ライオンボスにとって、57.5キロのハンデを背負って前哨戦の韋駄天Sを制しているのであれば、斤量のジンクスを打ち破る可能性も大きいと思われたのだが…。

 ジョーカナチャンは、ダッシュを利かせて真ん中の枠からハナを奪ったが、外の馬群からライオンボスが先頭を窺ったところで、スッと馬体を寄せて外ラチ沿いを取り切った形。鞍上の強気な競馬が功を奏したと言えるが、前走の韋駄天Sでは4.5キロの斤量差がありながら最後に差されて2着だったものであり、斤量差が3キロに縮まった中で同じ競馬を選択したこと自体、体調面での上積みなどがあって鞍上にも自信があったということだろう。少し雨の影響が残った馬場で、54秒5の勝ちタイムこそ平凡だが、王者の追撃を封じた鮮やかな逃げ切りだった。

ジョーカナチャン

追撃凌いだジョーカナチャンが重賞初制覇

 2着ライオンボスは、気配は良く行きっぷり自体もいつものこの馬のものであったが、中間点を過ぎて鞍上が追い出してからの反応が今一息で、最後に響いてしまった感を受ける。ジンクスの壁こそ破れなかったが、2着確保という最低限の仕事をしたあたり、直線王者の貫禄は示したと言えよう。

 3着ビリーバーは、函館で3勝クラスを勝ち上がっての転戦で、しかも直線競馬は初めてであったが、そこまで追走に戸惑うこともなく、持ち味の末脚を生かし切った形。この舞台の適性も十分に感じさせる走りだった。

 4着メイショウカズヒメは、枠なりに序盤は外ラチ沿いを運び、勝負どころから先行勢の内へ入れて差を詰めたもの。5ヶ月ぶりの久々や休養前の成績を考えれば、ちょっとビックリの好走だったが、馬体を戻して状態が上がっていたのだろう。

 5着ダイメイプリンセスは、外へ進路を取ることができず、最後も馬場の中ほどから差を詰めた形。外目の枠を引けていたら、という感も受けたが、牝馬で56キロという斤量も厳しかったか。

 ナランフレグは、追走に脚を使って溜めることができなかったもの。ゴールドクイーンは、ダートで見せていた抜群のダッシュ力が、芝では生きなかったと言える。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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