キズナを断ち切ったラキシスは、ポスト・ジェンティルドンナの器

佐藤直文 レース回顧

重賞級からGI級へ 圧勝モーリス 【ダービー卿CT】

 例によって出遅れて後方からの競馬となったモーリスだが、折り合いに不安を残す馬だけに前に壁を作って運ぶことができたという意味では、良かったように思える。1000m通過58秒0の速い流れも良かったし、何より戸崎騎手が馬を信じて急がせることなく直線勝負に賭け、上がり33秒0という爆発的な瞬発力を引き出したもの。安田記念も楽しみになってきた。

 2着クラリティシチーは、前走以上に完璧なレース運びだった。それでいての3馬身半差は、力の差以外の何物でもない。今日のところは相手が悪かった。

 3着インパルスヒーローは、前走に続いての好走で復調をアピールした形。良発表でも雨の影響が残る馬場も良かった。

 4着エキストラエンドは、4角最後方から脚は見せたが、最後に3着馬に競り負けたあたり、まだ本調子にないのかもしれない。

 2番人気シャイニープリンス、3番人気コスモソーンパークは、ともに直線で馬群を捌くことができず、何もできないままゴール。ともに参考外と見ていい。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。