ニューヒロイン誕生ソダシ 早目に動いて4着メイケイエールは距離の壁?

佐藤直文 レース回顧
阪神ジュベナイルフィリーズ

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汚れなき白の女王 ソダシ

 シラユキヒメを祖とする白毛の一族からは、これまでもユキチャンやハヤヤッコなどの重賞勝ち馬が出ていたが、いずれもダート重賞でのものであり、パワー型の産駒がほとんど。問われるのは芝の高速決着の対応であったが、ソダシメイケイエールの2頭はともに芝でレコード勝ちを演じてここまで駒を進めてきたように、スピードを兼備した産駒が同時に出現したことになる。鹿毛に出た後者はともかくとして、前者は白毛一族のさらなる繁栄をもたらす存在となるであろう。

 そのソダシ。ここまでの走りで見せた抜群のレースセンスを遺憾なく発揮しての好位追走は、少し控えすぎたかもしれないが、その分だけ脚も溜められたように思う。直線を向いて一旦は前が壁になるシーンもあったが、間を割って先頭に立ち、内と外からの強襲を凌いでの勝利。無傷の4連勝でニューヒロインが誕生した。

ソダシ

白毛馬初のGI制覇を成し遂げたソダシ

 2着サトノレイナスは、道中は勝ち馬をマークして直後のポジション。直線でもその抜けた後を巧くついて猛追したが、ハナ差惜敗は文字通り勝ちに等しい内容だった。前走からの短期間で成長も示し、距離の融通性もありそうなタイプだけに、来年のクラシックが楽しみになる走りであった。

 3着ユーバーレーベンは、札幌2歳Sの内容を考えてもこれくらい走って不思議はない馬。大外を回って仕掛けられた分、最後の最後で脚が鈍ってしまったが、能力は十分に示したと言える。

 4着メイケイエールは、早目に動いて直線では外から一旦は突き抜けるかのシーン。これまた最後に止まってしまったが、こちらは距離の壁がありそうだ。

 5着ヨカヨカは、先手を取ったことにより自分のリズムで走れていて、最後は上位馬の決め手に屈したがけっして止まってはいなかった。距離もマイルまでなら十分に対応できるタイプだろう。

 オパールムーンは、出遅れもあって終い勝負に賭けた形だが、もう少し流れに乗れるようにならないと、トップレベルの戦いでは厳しいか。インフィナイトは、過去2戦ともに不良馬場で、速い時計の決着に対応できなかった形だが、それにしても負け過ぎで、もう一回見たい、という印象を受けた。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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