グランアレグリアは「進んで行かず」 安田記念“波乱”を生んだ要因は?

佐藤直文 レース回顧
安田記念

皐月賞「22万9700円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

見放されていた運も味方に付け ダノンキングリーが女傑を撃破

 GI馬6頭が顔を揃えた豪華メンバーではあったが、GIとしては珍しく、特に上位人気を集めた馬たちに万全のデキと言える馬がいなかったように思う。その結果として、7ヶ月ぶりのGI未勝利馬が勝ったわけだが、実力はありながらこれまでのGIでは見放されていた勝負運を引き寄せる形での勝利だった。

 そのダノンキングリーとて、レース後の川田騎手のインタビューにもあったように、けっして万全の状態ではなく、7ヶ月ぶりとしてはマズマズの仕上げ、といった程度だったが、中団の外で巧く流れに乗せて持てる力をフルに出し切ったもの。けっしてマイルがベストではなく、東京なら1800mが最適条件とも思える馬だが、少し時計を要す馬場や展開なども大きく味方したと言えよう。

ダノンキングリー

グランアレグリア(青帽)をアタマ差押さえたダノンキングリー(橙帽)

 2着グランアレグリアは、スタート直後にポジションを取りに行ったところで内と外から挟まれる形となり、位置取りが悪くなってしまったもの。その後もリズムを欠いておっつけながらの追走でも進んで行かなかったあたりは、やはり中2週の影響だったか。ただ、ローテーションに関しては折込済みの調整であり、それでも直線で馬群を割って伸びた脚を見ると、序盤での不利がなくもう一列前で運べていたら、勝っていたと思える内容だった。

 3着シュネルマイスターは、中団前目の絶好のポジションで流れに乗り、直線での叩き合いに加わったもの。斤量差も生かしたとはいえ、現状で古馬相手にこれだけの接戦を演じたのであれば、今後は楽しみしかない。

 4着インディチャンプは、前を見る形のポジションから自分の競馬はできたように思うが、最後に伸び負けたあたりは、まだ本来のデキになかったか。

 5着トーラスジェミニは、行きたい馬を行かせての2番手から、直線でも渋太く粘っての掲示板確保。ただ、このメンバーでこれだけやれたのならGIIIでは、とは言えないタイプでもある。

 サリオスは、直線で不利を受けたとはいえ、反応していれば抜けられていたはず。明らかに良かった頃の状態に戻っておらず、秋には体調を整えての出走が待たれる。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

皐月賞「22万9700円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

皐月賞「22万9700円」的中! プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

日本ダービー特集

2024年日本ダービー特集

日本ダービーの出走予定馬、予想、単勝オッズ、結果、動画、歴代優勝馬、騎手・調教師データ、ゴール前写真、歴史などを紹介する特集ページ。『優馬本紙馬柱で振り返る日本ダービー』などオリジナルコンテンツも充実しています。

  • 出走予定馬
  • 予想オッズ
  • 騎手
  • 優先出走権
  • 賞金順
  • 次走予定
  • 動画・写真
  • 優馬本紙の馬柱
  • 短評

優馬 現3歳馬チェック

優馬 現3歳馬チェック

6月~12月に初勝利をあげた2歳馬(現3歳馬)を全頭チェック! 馬体は? 血統は? レース内容は? 総合的に判断をし、★評価をつけていきます。翌年のクラシック有力候補がきっと見つかるはず!

★5つ以上の馬を網羅。ダービー候補はこの馬!

ヒロイン候補が続出!? 牝馬の★評価。

注目勝ち上がり馬情報など毎週火曜更新。

トラックマン・記者一覧

競馬専門紙「優馬」トラックマン・記者一覧

平日はトレセンで東奔西走、週末はレース予想&馬券に全力投球。競馬専門紙「優馬」を支えるトラックマン&記者のプロフィールをご紹介します。