【安田記念・調教班レポート】持木TMが狙う“オフコース”の期待馬 実力馬の完全復活と絶好の動きを見せた馬の大仕事

調教班レポート
安田記念

本来の雰囲気を取り戻し 完全復活インディチャンプ

 府中での5週連続GIも最終戦となり、まだ的中がない身として何とか決めたい一戦となるが、一昨年のマイル王で昨年は不甲斐ないレースが続いたインディチャンプの復活に期待した。
 昨秋はスプリンターズSを目指して調整を進めていたが、調子が上がらず再放牧に出す誤算。マイルCSには珍しくコース追いを併用して何とか間に合わせたが、明らかに万全とは言えない臨戦過程だった。高松宮記念の後は何事もなく順調に調整できた様子で、坂路のみのいつもの調整で3週連続51秒台をマークし、一追い毎に素軽さも増している。本来の雰囲気が戻っており、完全復活の態勢は整ったと見る。

インディチャンプ

ようやく本来の雰囲気を取り戻したインディチャンプ(左)


動きだけなら抜群のギベオン あっと驚かせた金鯱賞の再現もある

 調教の動きだけなら栗東ではギベオンが一番良く見えた。フットワークが大きく見た目にスピード感はないが、ウッドで5F64秒8~37秒1~12秒1の優秀な時計をマーク。馬体のハリも満点で、デアリングタクトの追撃を退けた金鯱賞に続いて大仕事をする可能性は十分にある。

ギベオン

動きだけなら栗東勢で一番のギベオン


世代最初の勝利を飾るのは セリノーフォスが完成度で大きくリード

 今週から2歳新馬戦も始まるが、注目は中京土曜5レースに出走するセリノーフォス。今年のドバイターフ2着馬ヴァンドギャルドの半妹で、兄より一回りコンパクトだが現時点での完成度は他馬を大きくリード。3週前の追い切りで追って抜群の反応を見せ、年長馬相手に大差の先着と、この時点ですでに新馬戦を勝ち上がれるレベルに到達。その後も併せ馬を3本消化しいずれも併走馬を抜き去る2歳馬らしからぬ動き。世代第1号の新馬勝ちはこの馬と見た。(栗東調教班・持木秀康)

筆者:


1969年広島県呉市生まれ 1991年入社。栗東時計班。予想も馬券も妙味のある穴馬狙い。趣味はギャンブル全般。

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