もし逃げていたら… 4着レイパパレの“試み”は今後に実を結ぶか
得意の中山でまたも強豪を一蹴 ウインマリリン
レース中盤までは隊列に大きな動きもなく坦々とした流れであったが、3コーナーを過ぎた残り800m地点あたりから3着馬が一気に動いて前に取り付き、それに応じてのペースアップ。結果的には、そこで動いた馬と、動かなかった馬に勝負の明暗が分かれた形となった。
ウインマリリンは、コース変更で絶好枠となった最内枠から好位のインに収まり、前述した勝負どころから各馬が動いたあたりでも、全くの馬なりでポジションをキープできていた。直線を向いてから、一旦は進路を失って前との差が開くシーンもあったが、その分だけ脚もよく溜まって、最後は間を割って力強く抜け出した形だ。コース巧者ぶりを遺憾なく発揮したレースだったが、目下の充実があれば、目標のエリザベス女王杯でも最有力候補となるはずだ。
2着ウインキートスは、勝ち馬の直後のポジションから、これまた勝負どころでは無駄に脚を使わずに直線を向いたもの。太かった前走から馬体が絞れたことも好走の因だが、ゴール前では先に動いた馬をキッチリと捉えた形だ。ただ、本来はもっと距離が欲しい馬でもあり、今日の結果は地力強化の表れでもあったろう。
3着グローリーヴェイズは、立ち遅れて行き脚が付かなかったのは久々の分とも言えたが、勝負どころから一気にマクって前に取り付いたあたりは流石だった。目標とした4着馬はキッチリと捉えており、次へ向けてはけっして悪くない内容だったと言える。
4着レイパパレは、ハミを噛んで気負うシーンも見せながらの2番手追走。加えて、勝負どころで3着馬に来られて動かざるを得ない状況となってのこの結果も仕方ないと言えるが、逃げてノビノビと自分の競馬ができていれば勝っていたかもしれない。ただ、宝塚記念もそうだったが、鞍上も先を見据えて前に馬を置いて折り合う競馬を試みていると思われ、それが今後に実を結ぶ可能性も十分ある。
5着ステイフーリッシュは、大外枠から好位馬群に潜り込み、いつもよりは一列後ろのポジションで運んで終いを生かす味な競馬。こういう競馬ができたこと自体、次に繋がるはずだ。
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