「鮮やかと言うしかない」岩田康の“60秒8” 11着アサヒは「能力以前の問題」

佐藤直文 レース回顧
スプリングS

粘りに粘って大きなハナ差V 本番もこの戦法でビーアストニッシド

 前半1000m通過は60秒8。前日に行なわれた阪神の若葉Sを、デシエルトで逃げ切った岩田康騎手だったが、これまた同じく1000m通過は60秒8であり、違う舞台とはいえ全く同じペースを体感しながらの逃げ切りには、鮮やかと言うしかない。

 そのビーアストニッシド。スタートを躓いて出ながら、最内枠を利して無理なくハナに立ったが、控えて折り合いを欠いた2走前を糧として、最も力を出し切れる形はこれしかないと鞍上が決め撃ったことが功を奏したと言える。ただ、そうそう楽には逃がしてもらえない本番では、馬場などのアシストがより一層求められそうだ。

ビーアストニッシド

岩田康の叱咤に応え粘りに粘ったビーアストニッシドが重賞初制覇

 2着アライバルは、前が残る結果を見越してか積極的に2番手で運び、最後はクビの上げ下げまで持ち込んでの惜敗。勝ち馬以上の能力を示したことは間違いなく、本番へは今後の良化次第かと思えるが、今日のメンバーなら勝ち切ることが好走への最低条件だったかもしれない。

 3着サトノヘリオスは、道中は中団のインをロスなく運べていたが、直線で前が詰まって脚を余した印象。スムーズな競馬ができれば、本番では1・2着馬以上の走りを見せる可能性も十分ある。

 4着エンギダルマ、5着ディオは、ともに好位で運んで前残りの展開を利して流れ込んだもの。まだまだこれからの馬たちだろう。

 アサヒは、ゲートで暴れて出遅れ、二の脚も付かなかったもの。能力以前に気性に大きな問題を抱えている現状では、完全な立て直しが必要だろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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