光った川田の好判断 アルバートドックがイン強襲で重賞初制覇

佐藤直文 レース回顧
小倉大賞典

鮮やかなイン強襲で アルバートドッグ

 日曜の小倉は、馬場の回復が進んで、今週の重賞では唯一の良馬場に。キレ味が生きる馬場となったことで、道中では後方に位置していた馬のワンツー決着となったが、アタマ差で明暗を分けた2頭は、同じ1枠からでも勝負どころからのコース取りの差の分と言えた。

 アルバートドッグは、枠なりに内で運んで、ペースが上がった3角過ぎでもジッと内で我慢。4角手前では最後方の位置取りだったが、直線でも躊躇なくインを狙った鞍上の好判断が光った。課題の折り合いもスムーズで、素質馬がようやく本物になってきたと言える。ただ、今日のところは鞍上にも助けられた感も受け、ワンランク上の馬との戦いでは、更なる自身の成長も求められるはずだ。

 2着ダコールは、3角過ぎの勝負どころでは勝ち馬と並ぶ位置取りだったが、そこから馬群の外を回る形で仕掛けていって、4角では大外を回る形。馬場がもっと渋っていたら突き抜けたかもしれないが、勝ち馬に内から出し抜けを食らったのも仕方がない。とにかく小倉は走る馬だが、トップハンデ58キロを背負っての激走には頭が下がる。8歳馬でも、まだまだバリバリやれるはずだ。

 3着ネオリアリズムは、上位2頭よりも早目に進出する形での4角大外。そのまま直線でも一旦は先頭に立つ、見せ場十分の内容だった。地力強化も示しており、GIIIならいつでも、と思わせるレベルだ。

 4着ケイティープライドは、インを器用に立ち回って、これまた直線では見せ場を作った。今回は52キロの軽量に恵まれた感も受けるが、立ち回りの巧さを生かして、どこかで一発があっていいかもしれない。

 5着ハピネスダンサーは、前走で脚を余したこともあってか、序盤でポジションを取りに行ったまでは良かったが、勝負どころで動かない中途半端な競馬で、位置取りを下げてしまったのが痛かった。直線で再度差は詰めていただけに、惜しまれる一戦だ。

 蛯名騎手がJRA全場重賞制覇を賭けて臨んだマイネルフロストは、出負けして2角過ぎから外を回って進出する強引な競馬。さすがに最後は苦しくなって当然と言えたが、休みなく使われて年が明けてからも3走目では、疲労が出る頃にも思えた。 

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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