鞍上の見事な手綱捌きで、トップハンデのサトノノブレスが重賞4勝目

佐藤直文 レース回顧
中日新聞杯

トップハンデも何のその 地力の違いでサトノノブレス

 ローカルのハンデGIIIとしてはかなり粒揃いのメンバー構成。その割りに、2分1秒3という決着タイムは平凡だったが、逃げ馬不在で前半1000mが62秒1のスローな流れだったことと、コース改修後のこの時期の中京開催は、暮れや年明けの開催とは違って時計がかかるためだろう。いずれにしろ、キレ味で勝負するタイプには厳しい競馬となった。

 サトノノブレスは、トップハンデ58キロを背負っても、GIIを含む重賞3勝の地力が一枚上だったことを示す快勝だが、今回は一番上手に立ち回っていたことも確かだ。絶好位から仕掛けのタイミングはドンピシャで、初騎乗が嘘のような川田騎手の手綱捌きは見事だった。ここ2戦が復調は示しながらもキレ負けした形だったが、前述したようにキレ味が生きない馬場も味方したと言える。

 2着ファントムライトは、近走こそ控えて差す競馬で結果を出していたが、今回は積極的に前へ行ったことが好走の因だろう。時計のかかる馬場の適性も高い馬であり、これで5戦連続の馬券対象は立派の一言。重賞制覇もメンバー次第というレベルまで来ている。

 3着レコンダイトは、“いつもの休み明けと比べると調教で動いている”という厩舎コメント通りの好状態だった。中団で巧く脚が溜まって持ち味を生かした形だが、直線で一旦窮屈になるシーンがなければ2着があったかも、と思えたほど。このメンバーでこれだけ走ったのならは、2着馬同様にどこかで重賞制覇のチャンスがあっていい。

 4着ヤマニンボワラクテは、ハナへ行く構えを見せながら、まさかのロンギングダンサー(父の大胆騎乗を彷彿させる横山和)に来られて譲った形。それでもマイペースで運べたことで渋太く粘ることができたが、もっと距離が欲しい馬で2000mでは距離不足と思えるだけに、今日の結果でも充実ぶりは示したと言える。

 5着バウンスシャッセは、タイレコードで愛知杯を勝った時とは、前述したように馬場も流れも違ったわけだが、不利な展開の中でラストは馬群を縫って良く伸びていた。牡馬相手に55.5キロを背負ってのこの走りで、評価を下げるわけにはいかない。

 クルーガーは、大外枠から出負けして外を回っては届かなくて当然の流れだったと言えるが、準オープンを勝ったばかりの身としては少し人気になり過ぎだったか。ブライトエンブレムは、勝ち馬を見る形で運びながら、直線で何の不利もなく伸びあぐねたもの。今日のような馬場は合っていたはずだが、まだデキが戻っていないと見るべきだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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