【札幌記念回顧】“大収穫”ジャックドール 5着ソダシは「昨年と違う馬場」に苦しむ

佐藤直文 レース回顧
札幌記念

GI馬を力で捻じ伏せた ジャックドール

 GI馬が5頭ラインナップして、今年も豪華な顔ぶれとなったが、良馬場で2分1秒2という平凡な決着タイムは、もちろんレースレベルの問題ではない。当日の5レースまでは稍重だったように、水分の残ったタフな馬場での数字であり、“スーパーGII”にふさわしいレベルの戦いであった。

ジャックドール 札幌記念

北の大地でジャックドールが秋への大きな1勝を掴んだ!

 ジャックドールは、好位の3、4番手で力むことなくスムーズに折り合っての追走。3~4コーナーの勝負どころでスッと2番手に押し上げると、逃げる2着馬を相手に絞ってゴール前でキッチリと差し切ってみせた。大阪杯以来となる4ヶ月半ぶりの実戦だったが、心身ともに成長した姿を見せ付けたものであり、控える競馬で結果を出したという点でも、秋へ向けての大収穫となった。

 2着パンサラッサは、前半1000m59秒5は今日の馬場を考えると速めのラップであり、後続に脚を使わせる自分の形に持ち込んだもの。直線でも手応え以上に踏ん張っていたが、結果は相手を褒めるしかないだろう。

 3着ウインマリリンは、序盤でうまく好位のインに潜り込んで、これまた自分の競馬ができていた。勝負どころでステッキが入りながらも直線で渋太く脚を伸ばし、復調ぶりをアピールする走りだった。

 4着アラタは、この馬としては積極的な立ち回りで、目標として運んだ5着馬をしっかりと捉えた形。今後に繋がる走りはできたように思う。

 5着ソダシは、昨年のような軽い馬場とは違うタフな馬場では2000mは長いと言えただろう。やはりベストはマイルの馬と判断していい。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。