【根岸S回顧】フェブラリー直結「間違いなし」の一戦は、3着馬&6着馬にも“見所”アリ

佐藤直文 レース回顧
根岸S

初重賞を手土産に大舞台へ まだまだ強くなるレモンポップ

 決着時計の1分22秒5は、良馬場におけるレース史上最速タイムというハイレベル。本番のフェブラリーSよりも1ハロン短い距離とはいえ、上位2頭は武蔵野Sの2・1着馬でもあり、間違いなく本番でも期待できるはずだ。

 レモンポップは、スタートこそ一息だったが二の脚の速さで好位をキープ。直線を向いてからは持ったままの手応えで先頭に立ち、追い出しもギリギリまで遅らせて武蔵野Sの雪辱を果たした。1400mの方がより安心して見ていられることができるとはいえ、今日のように道中でもタメが利く馬でもあり、何よりまだまだ強くなりそうな馬。冒頭でも触れたようにフェブラリーSでも好勝負が期待できる。

レモンポップ

ハイレベルな一戦を断然人気に応えて優勝したレモンポップ(右)

 2着ギルデッドミラーは、これまでの芝スタートからダートスタートに替わったこともあってか、スタートで行き脚が付かず前走よりも位置取りが悪くなってしまったが、最後の伸び脚は際立っていた。芝スタートに戻る本番は、武蔵野Sの再現も期待できよう。

 3着バトルクライは、上位2頭が強かったとはいえ、例年のレベルなら勝っていたかと思えるパフォーマンス。ただ、3コーナーあたりで鞍上が押っつけるシーンもあり、距離が延びていいタイプかもしれない。

 4着タガノビューティーは、後方から自分の競馬に徹し、久々にこの馬らしい伸びを見せたが、初めて着けたブリンカーの効果もあったように思う。

 掲示板を外した組でオッと思わせたのは6着のケンシンコウ。初距離も応えたか道中は最後方で直線を向いたが、これまた直線での伸びが目立っていた。テイエムサウスダンは、逃げた馬がシンガリに沈んだ流れとはいえ、手応えを失くすのが早過ぎ。体調面が整っていなかったと見るべきだろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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