【スプリングS回顧】ベラジオオペラ“違う競馬”でV メンバーレベル疑問も「今年なら」の声

佐藤直文 レース回顧
スプリングS

みやこS「37万」アルゼンチン共和国杯「13万」的中 プロ予想家40人集結、優馬プレミアム。

無傷の3連勝で本番へ べラジオオペラ

 やや小粒なメンバー構成にも思えた今年のスプリングSだったが、勝ち馬には本番への課題も残るとはいえ、大本命と目されるような傑出馬が不在の牡馬クラシック戦線を考えれば、有力候補としてアピールするだけの内容のある勝ちっぷりだった。

 そのベラジオオペラ。馬場の荒れた内に押し込められることを嫌ってか、好スタートを切りながらも控えて、道中で巧く馬群の外へ持ち出す形の競馬。これまでとは違うレース運びにも対応できるだけのセンスを示したと同時に、直線でもしっかりと伸びての快勝だった。今日のような立ち回りができれば距離の延長も全くなく、本番の皐月賞でも今回と同じような馬場であればもちろん有力視できる。前述した課題は速い時計への対応だが、今回の決め手は良馬場でも楽しみになるものと言えるだろう。

ベラジオオペラ

これまでとは違う“控える競馬”で皐月賞への切符をつかんだベラジオオペラ

 2着ホウオウビスケッツも、過去2戦とは違って好位で控える形の競馬となったが、それでもけっして楽な流れの追走ではなく、力は十分に示した内容。スピードの持続力は、良馬場でより生きそうなタイプだろう。

 3着メタルスピードは、1ハロンの距離延長でもスムーズに折り合って自分の競馬ができた。本番へはもう1ハロンの距離延長以上に、厳しいローテーションでの体調維持が鍵となりそうだ。

 セブンマジシャンは、ペースを考えれば後方待機も悪い策とは思えなかったが、これまで見せたような伸びはなかった。ここへ向けて体調を整えてきたことを思えば案外の内容だったが、現状ではこんなものかもしれない。オールパルフェは、初の1800mに加えて厳しい流れでの好位追走なら仕方のない結果と言えそうだが、やはりマイルがベストの印象。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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