【桜花賞回顧】リバティアイランドにファン驚がく 川田「全然進まん」からの“1強証明”

佐藤直文 レース回顧
桜花賞

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慌てず騒がず 力が違ったリバティアイランド

 この春からJRAが新たなファンサービスとして導入したジョッキーカメラ。欧米の競馬で視たことのあるファンも多いと思うが、今回の桜花賞では勝ち馬のジョッキーの帽子に取り付けたカメラで撮られた映像が公開された。ジョッキー目線で臨場感溢れるレースを味わうことができるのはもちろんだが、レース直後に音声で拾われたジョッキーの言葉が何といっても興味深い。一旦落ち着いてから受けた勝利インタビューとはまた違った声を、ぜひ確認していただきたい。

 そのリバティアイランド。前走の阪神JFでは前半3ハロン33秒7の流れを中団で流れに乗れていたが、今回はそれより遅い34秒0だったにもかかわらず、川田騎手が動画内で「全然進まんかったわ」と口にしているように進みが悪く、後方からの競馬に。けっして思い描いた形の競馬ではなかったはずだが、そこは2014年に4角シンガリから大外強襲でハープスターを勝利に導いた同騎手。慌てず騒がず、直線大外から上がり32秒9という次元の違う脚で差し切ってみせた。もちろん着差以上の強さであり、この先の世代牝馬の戦いでも“1強”となるはずだが、見ている側をヒヤリとさせた序盤の走りを今後の課題として調整されることで、その座も一層揺るぎないものとなりそうだ。

リバティアイランド

大外からただ1頭伸びてきたリバティアイランドが断然人気に応えた

 2着コナコーストは、道中2番手でスムーズに流れに乗り、直線でも内から乾いてイン有利の馬場を味方に付け、一旦は前に出た3着馬を差し返してのゴール。勝ち馬には歴然とした脚力の差を見せ付けられたが、能力を存分に出し切った形だ。

 3着ペリファーニアは、出負けして少し力んでしまった前走とは違い、同じ位置からでも今回はスムーズな競馬で鞍上も完璧な騎乗。最後はノドの疾患の影響も出たかと思えたが、能力は十分に示す走りだった。

 4着ハーパーは、3着馬の直後という理想的なポジションで流れに乗り、直線でもそれなりの伸びを見せたが、上位馬との差は現状での力の差だろう。

 5着ドゥアイズは、中団のインから直線では馬群を捌いて差を詰めたもの。これまた現状での力の差だったろうが、距離はもっと延びていいタイプかもしれない。

 ライトクオンタムは、中団のインで揉まれる形。これまで少頭数の競馬しか経験しておらず、小柄でもあり多頭数でゴチャつく初めての競馬に対応できなかったか。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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