【皐月賞回顧】ソールオリエンス「混戦」の声を一蹴 横山武の咆哮は「牡馬も1強」の顕れ

佐藤直文 レース回顧
皐月賞

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咆哮を生んだ驚異の追い込み ソールオリエンスが無敗戴冠

 先週の桜花賞から配信がスタートしたジョッキーカメラ。今回はスタート直後にカメラが泥を被ったか勝ち馬の画像がほぼブラックアウト状態だったが、見どころならず“聴きどころ”はレース直後の横山武史騎手の声。溢れ出る感情を抑えることができなかったのは当然としても、馬がそれだけの脚を使ってみせた結果が、あの咆哮だったのではないだろうか。

ソールオリエンス騎乗の横山武史騎手ジョッキーカメラ映像

 そのソールオリエンス。今日の馬場状態ではけっして楽ではない最内枠だったが、スタートから後方に控えたことで馬場の悪いところを避けて運ぶことができた。4コーナーでは前走同様に逆手前で外へ大きく膨らんだが、そうでなくても大外へ誘導するプランだったはずであり、1000m通過58秒5という馬場を考えるとかなりのハイペースも味方したとはいえ、あれだけの素晴らしい脚は能力なくして使えないもの。混沌としていた牡馬クラシック路線だが、次のダービーは頭ひとつ抜けた存在として迎えることとなるだろう。

ソールオリエンス

大外を突き抜けたソールオリエンスがデビュー3連勝で1冠を獲得

 2着タスティエーラは、好位から馬群の外目を追走し、4コーナーを回って早目先頭。前の組には厳しい流れの中で一番強い競馬をしたが、勝ち馬にあの脚を使われては仕方なく、負けて強しの2着だった。

 3着ファントムシーフは、重い馬場に苦しみながらも最後はよく脚を伸ばしてきたが、道中で落鉄していたことを考えても、能力の高さを示す走りだったか。

 4着メタルスピードは、中団で流れに乗り、4コーナーでは2着馬の外から進出して見せ場を作った。道悪はかなり巧い部類の馬だろう。

 フリームファクシは、中団から直線勝負にかけたが全く伸びるシーンがなかった。ここまで負ける馬ではないはずで、道悪だけが敗因とは言えないかもしれない。ベラジオオペラは、前走からも道悪は有利となったはずだが、今日のペースでは明らかに前に行き過ぎだったろう。

佐藤直文

筆者:


1963年、愛媛県生まれ。大学卒業後に入社し、当時(1馬)の看板評論家であった清水成駿に師事。坂路担当の調教班として馬の状態を自らの眼で確かめるとともに、独自の視点から発掘した穴馬を狙い撃つ予想スタイル。現、ラジオ日本、グリーンチャンネル解説者。

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